※このお話は、長編・『HELLO HELLO』の番外編で翔太くんのお話です。



~校庭~


次の時間は体育なので、ジャージに着替えて校庭に出てきている俺とふっか。


俺「あ💧タオル忘れた(-△-;)」


深澤「タオル?別に無くても良いじゃん。真夏じゃないし(・△・)」


俺「ヤダ!俺は常にタオルは持っときたいの。今日なんか天気良いから日焼けしそうだし…(-"-)」


深澤「日焼けとタオルって、何か関係あんの(・△・)?」


俺「頭から被って日焼け避けにする(-"-)」


深澤「あ~そう💧翔太は色々と大変そうだな(¬▽¬;)」


俺「じゃあ俺、教室に行ってタオル取ってくるわ。」


深澤「今からッΣ( ̄□ ̄;)!?そろそろチャイムなるぞ😓?」


俺「先生には適当に言って誤魔化しといて😄」


そう言って下駄箱に走って行く俺。


阿部「あれ?翔太、どこ行くの?授業始まるよ😓?」


遅れて校庭に出てきた阿部ちゃんと途中ですれ違う。


俺「忘れ物したから取りに行ってくる!」


足を止める事なく走って行く俺。


阿部「忘れ物😓?」


~教室~


教室に入るとカバンの中からタオルを探す。


俺「タオル×2💦…あった😄!」


キーンコーンカーンコーン🔔


俺「やべ!急いで戻らねーと💦」


慌ててタオルを首に掛けると、俺はカバンを机の横に戻して慌てて教室から出た。


急いで階段を降りていると誰かにぶつかった。


ぶつかった相手を見たら深澤の妹で、何故かびしょ濡れだったからビックリした。


俺「お前、何でそんなにびしょ濡れなの?お前の所にだけ集中豪雨でも来たのか(-"-)?」


そんな訳無いとは思いつつも一応聞いてみたら、やっぱり違うらしい。


誰かから嫌がらせでもされてるのか?そんな事を考えていたら、俺の頭の中にストーカーの事が思い浮かんだ。


そう言えば最近、気付くと俺は○○と一緒に居る事が多い気がする。


○○に何かあったら嫌だったから、ストーカーに目をつけられないように気を付けようと思ってたのに…


○○と一緒に居ると楽だし安心出来たから、いつの間にか気が緩んでた。


これからは改めて気を付けないと…


ストーカーから嫌がらせされてるならそれは俺のせいだから、濡れてる訳を詳しく聞こうと思ったけど、話を遮られて立ち去ろうとしたから聞くのをやめた。


○○が嫌がる事はしたくなかったから…気にはなるけど今は様子を見る事にしようと思う。


○○はこれから屋上に行くと言ってたから、取り上えず俺は首に掛けていたタオルで○○の頭を拭いてから一緒に屋上に行く事にした。


濡れたままの○○を1人にするのは心配だったし、今から校庭に戻っても怒られるだけだし…それに、○○の事が気になって授業に集中出来ないと思ったから。


屋上に着くと天気が良くて暖かかったから、俺は横になって寝転んだ。


このまま寝ちゃおうかと思ったら、○○がブレザーを脱いで乾かしている姿が視界に入る。


今日は天気も良いからすぐ乾くだろうと思って見ていたら、ふと○○の背中に目が行った。


俺「っΣ( ̄□ ̄;)!」


『下着透けてるし…コイツ、絶対気付いてねーんだろうな(¬▽¬;)』


濡れたワイシャツから自分の下着が透けているとは思わずにせっせとブレザーを広げて乾かしている○○。


俺「ハァ~💧…○○ッ!」


○○「(・_・)?」


名前を呼ばれて振り返る○○。


俺「ほら!」


深いため息をつくと、俺は着ていたジャージを脱いで○○に向かって投げた。


俺「あっち向いててやるから、それ着ろよ。濡れたの着てたら風邪ひくだろ?」


俺が言うと、○○は嬉しそうに笑ってお礼を言ってからジャージを着た。


『バカ正直に「下着が透けてるから着てろ」なんて言わなくて良かった😌✨もし言ってたらどうなっていた事か(¬▽¬;)』


○○に背を向けて横になっていると、少ししてから○○が俺の所に歩いて来た。


眠かったらそのままで居たら、○○が俺の隣で横になった気配がした。


『え?俺の隣で横になった?…まさか寝たりしないよな(¬_¬;)?』


そ~っと隣を見てみると、○○は幸せそうな顔で既に寝ていた。


○○「( ̄▽ ̄)💤」


俺「寝てるッ😱!?」


『コイツ、マジか!流石に無防備過ぎるだろ( ̄□ ̄|||)』


俺「…俺の事、男だと思ってねーんだろうな(¬▽¬;)」


○○「(-▽-)💤」


俺「幸せそうな顔だな(笑)。こんなんじゃ、襲われても文句言えねーぞ😊」


ツンツン👉️


小さな声で呟きながら○○の頬を軽く指で突っつく俺。


○○「ん~!…しょ…た…先…輩(-▽-)💤」


俺「っ😓💓!?…不意打ちで名前呼ぶとか駄目だろ(//¬∩¬//)」


『俺の名前、ちゃんと覚えてたんだな。翔太先輩なんて一度も呼んだ事無かったのに…』


そんな事を思いながら○○の寝顔を見つめていると、風が吹いて長い髪が顔にかかった。


なんとなく手を伸ばして髪を避けると、俺はそのまま吸い込まれるように彼女の顔に自分の顔を近付けるとキスをしていた。



そっと顔を離すと、今ので彼女が起きないか心配になり顔を見つめる。


彼女は相変わらず幸せそうな顔で眠っている。


俺「起きねーのかよ💧普通は起きるだろ?どんだけ熟睡してんだよ(-▽-;)」


『ほんとにコイツは面白いヤツだよな😌』


そんな事を思いながら寝顔を見つめていると、いきなり彼女の目がパチッと開き彼女がガバッと勢い良く身体を起こす。


俺「うわッΣ( ̄□ ̄|||)💓!?ビックリしたぁ~💧急に起き上がんなよな(-△-;)」


○○「す、すみません(//--//)💦」


顔を真っ赤にしながら謝る彼女。


『マジでビビった(¬▽¬;)💓』


ビックリしてドキドキと煩く鳴る心臓を押さえる俺。


俺「…お前さ~、リップとか塗ってないの?」


○○「へ…(・△・)?な、何ですか?急に…😓」


俺「ちょっと荒れ気味だからリップとか塗った方が良いんじゃない?お前、ガサツそうだから唇のケアとかしてなさそーだし。なんなら俺のリップやろうか😁?」


本当はそんなに荒れてなかったけど、ドキドキしてんのがバレたら嫌だからわざと怒りそうな事を言ってからかってみた。

こういう所、小学生の時から変わってないかもな(¬▽¬;)

案の定、彼女は怒った。でもまぁ、取り合えずバレずに済んだっぽいから良かったかな😌

それから目を瞑っていたら、寝るつもりは無かったのに気付いたらチャイムが鳴るまで本当に寝てた。


気を許せる人じゃないと寝れないのに熟睡出来たって事は、俺は○○に気を許してるって事なのかな?

○○と出逢ってからそんなに経ってないのに…つくづく○○は不思議な女の子だと思った。

それから俺は、○○の服も乾いたから授業に戻った。

教室に戻ると阿部から「森田先生がお昼休みに来いって言ってたよ。」という不吉な伝言を聞かされた。

仕方ないので言われた通りに昼休みに体育教員室に行ったら、原稿用紙を6枚渡された。反省文を書いて3日以内に出せと…後で阿部にお願いして書いてもらおう。

体育教員室に行った帰りに○○がちゃんと教室に戻ったか気になったので、○○のクラスに寄ってみた。

教室の中を見てみたら○○の姿は無くて、諦めて教室に戻ろうかと思っていたら目黒とラウールが来た。

○○の事を聞いてみたら、やっぱりすぐには戻らなかったらしい。後で説教だなと思ってたら、サボっていた間○○が俺と一緒だったと知った目黒の目がメチャメチャ怒ってるのに気付いた。

目黒は真っ直ぐでからかうと面白いから取り合えず挑発して教室に帰った。
↑悪い先輩。

それからダンス部の練習に行く為に深澤や阿部と下駄箱に向かった。

体育館履きに履き替えようと下駄箱を開けると、いつもの赤い封筒が入っていた。

深澤と阿部には先に体育館に行ってもらい、近くに誰も居ない事を確認してから少し離れた所で封筒を開けた。

封筒の中にはいつもと同じハート柄の便箋に丸文字で『大好きな渡辺くんへ❤️』と書かれていて差出人の名前は相変わらず書かれていなくて不明のまま。

俺「またか…💧」

この封筒が届く度に憂鬱な気分になるけど、手紙の内容は気になるから一応読む事にはしてる。

手紙に書かれている内容は大体いつも同じで、朝の登校時から部活後までの俺の様子とかが多い。

【髪色変えたんだね。最近はそのピアスがお気に入りなの?また阿部くんに宿題教えてもらってたね。深澤くんと一緒に先生にイタズラしてたのバレちゃったね。】とか…授業中の事も知ってたりするから、差出人は同じクラスのヤツなんだと思う。

四六時中誰かに見られてる思うと本当に気味が悪いから早くやめるように言いたいんだけど、なかなか見つからないんだよな。

深澤達に相談する事も考えたけど、大事にはしたくなかったし、アイツらを巻き込みたくなかったから。

手紙を書いてるヤツが危ないヤツだったら、俺を助けようとするアイツらに何をするか分からない。

大切な人達を守れなかったら、それが一番嫌だから…だから俺は、大切な人達を守る為にも相談しない方が安全で良いと思った。

それに、これは俺の問題だから誰にも頼らずに解決したい。

そう思ってた。

この手紙を読むまでは…


✉️大好きな渡辺くんへ❤️
最近、新しく入学してきた1年生の女の子と話してるね。あの子、深澤くんの妹なんだってね。良いよね。友達の妹ってだけで、何の苦労もしないで仲良くなれて…私なんて全然話せないのに。ずるいよね?私、あーいう子が一番嫌い。何でわざわざお兄さんと同じ学校に来るのかな?ブラコンて気持ち悪いよね!今からでも他の学校に行かないかな。目障りだから退学して欲しい。そう言えば、今日の体育授業はどうしたの?居なかったよね?具合悪くなって保健室に行ってたの?違うよね?私、知ってるよ。1年のあの子と二人で屋上に行ってたよね?私、見たの。本当に仲良しだよね。あの子が羨ましい。どうすればあの子になれるかな?あの子が居なくなれば私があの子の代わりになれるかな?

深澤○○になりたい✉️


俺「屋上に行ったの見てたのか?あの時、もう授業は始まってたのに…😓ん?」

便箋と一緒に1枚の写真が入っている事に気付き、俺は写真を手に取る。

俺「ッ😓!」

写真を見ると○○の事を隠し撮りした物で顔には黒いマジックで✕が書かれていた。

怒りのあまり便箋と写真をグシャグシャに丸めると、俺は近くにあったゴミ箱に勢い良く叩きつけた。

俺「ふざけんなよ…○○に何かしたら許さねーからな💢」

手紙を書いてるヤツは俺が○○と一緒に居るのが気に食わないらしい。そいつの思い通りになったみたいでメチャメチャ腹立つけど、○○を守る為にも○○と距離を置く事にした。

これ以上、○○と一緒に居たら危ないと思ったから…取り合えず、○○の事は目黒に任せておけば安心だと思ったからお願いした。

本当は俺が守ってやりたいけど、俺は学年もクラスも違うし家も離れているから傍で守ってやる事は出来ないから今は目黒に頼るしかない。

○○は目黒を好きになるかな?なっても仕方ないよな。

冷たく突き放して○○に嫌われたとしても、アイツが無事で元気で居てくれるならそれが一番だから。

○○を守る為とは言え、俺が「話し掛けるな」って言った時の○○の哀しそうな顔は結構キツかった。

差出人さえ分かれば、○○を傷付ける事もしなくて済むのにな…

これから暫くは○○と話す事も笑顔も見れないと思うと一気にテンションが下がっていく。

憂鬱な気分で正門に向かって歩いていると、二度と会いたくないと思っていた元カノが○○と一緒に立っていた。

俺「◎◎😓?」

◎◎「翔太くん(*^▽^*)❤️」

元カノは俺の名前を呼びながら走ってくると俺に抱きついてきた。

◎◎「会いたかったぁ~😆💕」

俺「…😓」

『何で◎◎がここに?…ハッΣ( ̄□ ̄;)!○○は!?』

○○の様子が気になって見てみたら、○○は目黒やラウールとサッサと帰ってしまった。

『最悪だ…😨今のは絶対、彼女だと思われたよな?…違うのに😖』

只でさえ憂鬱だった気分が更に憂鬱になった俺は、元カノと早く離れて家に帰りたかった。

取り合えず話だけ聞いて帰ってもらおうと思ったら…彼氏と別れたから俺と寄りを戻したいらしい。

マジで勝手な女だと思った。

今更そんな事を言われても俺は1ミリも好きじゃないから困るし…

あんな一方的に別れを告げて去って行った元カノとは復縁なんて絶対無理だから、早く帰れって言ったのに俺の家に一緒に帰るとか言い出した。


いきなり何言ってんだ?と思ったら、俺に会いに来る前に俺の家に寄って母親に「夕飯食べにおいで」って言われたから俺の家に来るらしい。


◎◎は俺が中3の時に家庭教師に来て居たから俺の母親と仲が良い。俺は◎◎と付き合っていた事は話してないから母親は何も知らない。


仕方ないので一緒に帰ってきた。


~リビング~


俺「飯食ったら帰れよ(¬△¬)」


小さな声で◎◎に言う俺。


◎◎「勿論帰るよ😌🎵」


俺「…(¬_¬)」


『……。』


俺「御馳走様(-△-)」


ガタッ


夜ご飯を食べ終わると、俺は◎◎と一緒に居たくなかったからすぐに自分の部屋に行った。


20分後…


コンコン✊


◎◎「翔太くん、私。入っても良い😊?」


俺「駄目!もう寝てる(-△-)」


そう言って俺は毛布を被って寝たフリをする。


ガチャ🚪


◎◎「お邪魔しま~す😄🎵」


俺「駄目って言ったのに開けんなよな(¬△¬)」


俺の言葉を無視してズカズカと俺の所に歩いてくる元カノ。


◎◎「ねぇ、翔太くん。外暗くて怖いし、ウチまで送ってよ😊」


俺「ヤダよ。面倒臭いし…つーか、最初から外が暗いの分かってて来たんだろ?暗いのが怖いならあんな時間に来んなよな。マジ迷惑だし(¬△¬)」


もう◎◎と関わるのが嫌だったから嫌われるように冷たく言ってみた。


◎◎「…だって、どうしても翔太くんに会いたかったんだもん😊」


全然効果無し…年上の余裕なのかな?軽くあしらわれてる気がした。


俺「兎に角!俺はもうアンタの事は好きじゃないし、関わりたくないから会いに来たりしないでくれ。」


◎◎「それは無理だよ😌」


俺「は?何でだよ(-"-)?」


◎◎「だって、翔太くんのお母さんにまた家庭教師やって欲しいって頼まれちゃったんだもん😊🎵試験近いでしょ?」


俺「そんなの断れば良いだろ💢?それに、勉強なら阿部に教えてもらうし。」


◎◎「喜んでって言っちゃった😄🎵」


俺「……(・△・;)」


◎◎「だから…これからまた宜しくね?翔太くん😊❤️」


俺「…最悪だ(-△-|||)」


ストーカーだけで手一杯だったのに、新たな問題が増えてしまった。


何で俺ばっかりこんな目に…



《END》