ケース⑥ 勝谷誠彦(1960年12月6日)  コラムニスト タレント


 

「2015年5月頃から8月末にかけて、うつ病であったことを、雑誌や有料メールマガジン等で公表(後に寛解)。鬱病であることに気がついたときの状況を、それは『ドスン』とやってきたと表現。突然、寝床から身体が起き上がらなくなった。じわっと立ち上がってなんとか飯を食おうとするがそれも出来ない状態になったという。自らが体験したうつ病の状態や、周囲の理解などについて啓発活動を始めている。」とある。

 

宿命の特徴で病む要因になりそうなのは、

①自我への剋線が多い。

②生月中殺

③日年の半会。

 

①数理表は自我(貫索星石門星)を中心に、その前後は相生の星で、入力(龍高星玉堂星)→自分→出力(鳳閣星調舒星)となっている。これを相生の流れとすると、剋関係は、車騎星牽牛星(後剋)と禄存星司禄星(前剋)。

 

自我を別にすると、相生14%、相剋70%と圧倒的に剋関係の星が多い。相生は無意識の流れ、相剋は意識が強くなる。剋が大きいほど、自然に、穏やかな生き方ができない形で、人生も人間もメリハリが強くなり、上下動の激しい生き方になる。波乱を生きるような意味があって、意志の強さは心の負荷の大きさでもある(病む可能性)。

 

また、貫索星が最多剋線となり、自分自身が才能という意味を持つので、常に自分が能力を発揮していないといられない、激しさと不安定さがある。なんらかの才能と存在感のある人物になると思われるが、それが通らなくなった時が危ない。

 

②月殺については、以前の記事を参照。

月干支は24・丁亥。これが丁→戊と日干に入り込む。霊感の強い丁亥が中殺され、それが入力されるとなると、普通ではない想念の持ち主になる可能性は高い。日干支が天南星というリアリティーのある強いパワーなので、危うい霊感にはならないだろうが、特殊なインスピレーションや思考が身につくことは十分に考えられる。

 

月干支で中殺される星は、玉堂星中殺、車騎星中殺、禄存星中殺、この3つ。主星は禄存星中殺だが、表には出てない車騎星中殺へと気は集まっている。

 

 

主星の禄存星中殺は単純に愛情の星にはならない。貫索星に激剋され、主観的日常を作る司禄星が流れ込む。貫索星が入ると、状況に応じて自分を変化させる腹芸のような演技力を生み、司禄星が入り込むと、自分に正直になり、やりたいことをやる。思い込むと止まらない前進力が発揮される。それを飲み込む自己顕示禄存星は中殺されて水量は拡大され、それがまとめて車騎星中殺へと流れる。

自分の意志とは無関係にランダムに車騎星中殺に鞭打たれる自我は、やりたいことをやり言いたいことを言い放つようになる。

車騎星中殺に打たれる自我は、安住の心境を持てずに、常に揺れ動く。

 

禄存星中殺と車騎星中殺が重なると、基本的には人に喜ばれることをする。それが自己顕示につながる。堅苦しい環境は苦手。中殺があるので、余計に、ざっくばらんに自分を出せる環境でないと生きられない。

甲からなる車騎星は、直情傾向でまっすぐな車騎星になるので、妥協しない強い闘争心を持った自我が出来る。

それでなくても批判力の強い戊辰が、際限なく打たれることによって、一見好き勝手な言動をしているように思われることにもなる。人間関係で好き嫌いが分かれ、それでも負けない強い精神力はもっているが、折れるともろさを露呈する。それをかき消すかのように、酒を飲む生活が続く。文字通り、それが命取りになった。

 

③日年の半会

半会は、膨れ上がる、盛り上がると言われているが、「異次元融合」の意味を前提にしないと、この機能の持っている良さも副作用も語れない。

日年の半会は行動と結果の半会。これは、思考の起点と終点にも当てはまる。そのプロセスにおいて半会が起こる。Aが起点で、通常ならBという結論に至るとこで、CやDという新たな結果を生じるのがこの作用。異次元融合は、既存にないものを作る働きをする。

 

仕事なら、作業しながら次々とアイデアがわく。思考しながら、新たな発想がそこから生まれてくる。陰占でいえば、冬の冷たい水(子の癸)と辰の温い水(癸)とが融合して、冬でも春でもない新しい水が生まれるのが半会の力。

例えば、支合なら、どちらかを選択する。冬の水を取れば、春の水は捨てられる。それが支合の同次元結合。なので、支合の二つは子丑、午未と同じ季節内の支合になる。それなら、共通の季節の癸(子丑)、丁(午未)が結合されて、強い水と火が生まれるが、強くなっても質が変化するわけではない。

 

つまり、半会はそれ自体、既存とは合わない作用だと考えるべきで、勝谷さんの半会の役割は既存を変えること、その前段階として、既存を批判することにある。これも敵を作り、自分に負荷をかける。

 

 

それでなくても、2000年代は、水が異常に高い。これに半会作用が加わって水が拡大。問題はその膨れた新しい水もまた、車騎星に入って自分を打つところにある。膨れた司禄星と禄存星で、「自分に正直に、やりたいことをやる」部分が強調される。

かなりやりたい放題の人が作られて行く。

 

「でもねえ、いまうつから快復してわかったんだけど、うつ病になる前は十代くらいのころから、躁病だったんじゃないかって思うんだよ。異常なことばっかり話したり、テレビに出てワーっと喋ったりすることは、普通の人がやることじゃないな、っていうことを思って反省したね。双極性障害(うつ状態と躁状態を繰り返す症状)っていうやつだよ。」

 

と勝谷さんも語っている。批判力の強い戊辰が、この時期は加速し、結局次の大運でその付けが回ってきたのだろう。

これが行き過ぎた結果、2010年くらいから、次々と番組が終わって行った。

 

2013年~2017年、前進力(青)が急降下し、自我力(茶)も下降、自分を支えていた闘争心・プライド(緑)も落ちてくる。そして感情表現(黄色)が高まる。

 

2014年、2015年の東(仕事場)は、天剋地冲、害と思い通りにならない位相法が続く。気グラフをざっと見ても、この期間の凹みが目立つ。

 

2013年、長らく出演活動を続けてきた「たかじんのそこまで言って委員会」を降板、2015年は情報番組「スッキリ!!」のコメンテーターを降板。

 

「おかしくなったのは、降板から2か月後くらいなんだけど、あんなものが理由だとは思われたくない。あと、父親が倒れて意識不明であとは死を待つだけという状況なんだけど、それもあんまり関係ないんだよなあ…。」

 

とは言っているが、この宿命は、出演番組も父親も、要になっている。

 

 

父は心の中核、禄存星中殺に入っていて、この宿命は中殺両親が支え。ここが空洞になると、壬丁の暗合が起こって、自分を見失う可能性がある。これは、日干丁亥でもたまにみかける危険な暗合。弱音を吐けない宿命だが、父の意識不明は不安感を増大するだろう。

 

また、ほとんど出演番組がなくなってしまうことは、剋されて前に出る宿命構造が働けないことになる。車騎星(緑)は燃焼を続けようと自分を鞭打つ(2015年だけ緑が上がっている)が、自分は動きたくても動く場所も役割も失くしてしまっている。

 

うつは、剋される自分がギブアップの悲鳴を上げて、動くことをやめてしまった(動けない)ところから始まっている。

 

「ある日突然起き上がれなくなった。もちろん、気持ち的なものもあるんだけど、肉体的におかしい。まず足が前に出ない、歩けない。だからコンビニまで行けないという状況で、何にもできない…。」

 

もう一つ、戊辰の定番として、離婚や配偶者との離別のショックも勝谷さんにはあったようだ。

 

「俺さあ、離婚したときもたぶん鬱だったと思うんだよ。なんだか全部嫌になっちゃってさ」

 

強気で攻めてきた人が、生き場を失って、自我が立ち往生して動かなくなった、ということのように思える。

勝谷さんは剋過多の宿命らしく、突出した才能を持ちながら、2018年、57歳という若さで亡くなっている。

 

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