先日、武井武雄の展覧会の記事を書いたので、今回は武井武雄のアンデルセン童話の挿絵集をご紹介します。

主に絵本や絵本関連の本やグッズを扱っている古書店トムズボックスが制作した本。





「武井武雄の繪文庫・2 アンデルセン童話集挿絵集 附・日本郷土玩具カット」

文:穂村弘

(トムズボックス 2000年6月刊)




1928年(昭和3年)に文芸春秋社から出たアンデルセン童話集の挿絵を収録しています。












このアンデルセン童話集は私も持っていますが、古い本なので頻繁に開くと傷みが進みそうで、滅多に開きません。だから挿絵だけ集めた本書のような存在は有り難いです。

改めて眺めると、子どもの目線を意識しつつも過剰に可愛らしくも甘くもない、独自の表現が魅力的です。

巻末に歌人でエッセイストの穂村弘氏が武井武雄の挿絵についての文章を寄せています。鑑賞のしかたや作品に対しての印象が、穂村氏ならではの感性で表現されていて面白く読みました。



本書を刊行したトムズボックスは以前は吉祥寺にあり2019年からは西荻窪に移転して営業しています。私は移転後にはまだ行っていないのですが、HPを見ると変わらずに自主制作本やオリジナルグッズを出されているようで、そのうち訪ねてみようと思っています。