文豪の名作短編に美麗なイラストをつけた、立東舎の「乙女の本棚」シリーズに谷崎潤一郎の「人魚の嘆き」が仲間入り!

このシリーズでは谷崎の「秘密」「魔術師」が刊行されているので「人魚の嘆き」も出してくれないかな〜、と思っていたので嬉しいです♪






「人魚の嘆き」

谷崎潤一郎:著

ねこ助:絵




有り余る富を持ち、世の娯楽を極め尽くして人生に倦んでいる、南京の美貌の貴公子。

今まで目にしたことのないような珍しいもの、出会ったことのないような美しい女性を所望する彼の前にオランダ人の商人が現れ、南欧から連れてきたという人魚を見せます。初めて見る妖しく美しい人魚に貴公子はたちまち魅了され・・・



「人魚の嘆き」は水島爾保布のビアズリーを思わせる耽美な挿絵が有名ですが、本書のねこ助の挿絵は耽美でありながらも可愛らしいイメージです。

人魚も少女のような幼さを残した容貌。でもところどころに艷やかな美しさも感じさせます。

表紙の絵だとわかりづらいのですが、頭に鰭のような、帽子のようなものがついているのがユニークです。

最後に海蛇に変じるからか、人魚の尾はとても長く蛇のよう。白くて美しい尾ひれです。


人魚が変身した海蛇、目元が色っぽいニコニコ







本文は原作通りですが、文章のレイアウトは行間にゆとりを持って組まれています。1ページに数行のみというページもあり、視覚的な効果も狙ったデザインになっています。

現代ではあまり見ないような凝った修辞が多く使われている作品なので、これくらいゆとりのあるレイアウトのほうが私には読みやすくて良いかも。



「乙女の本棚」シリーズ、どの作品もイラストが魅力的で、集めたら楽しいだろうなと思います。

小川未明の「赤い蝋燭と人魚」もぜひ出してほしいな〜。









ところで本日6月30日は「人魚の日」。

といっても日本ではほぼ知られてないけど。

ヨーロッパ由来の記念日らしいです。

アメーバさんの「今日は何の日」スタンプにも加えてほしいけど、たぶん無理なので自分で真似っこして作りました(笑)。









毎年6月30日はブログに貼って記念日の普及を図ろうと思いますニヤニヤ

とか言いつつ来年忘れてたりして(笑)。