人魚姫の物語を下敷きにした小説や絵本を最近いくつかご紹介してきましたが、今回は本家のアンデルセン童話「人魚姫」を久しぶりにご紹介します。





「アンデルセン文庫12 人魚姫」

鈴木徹郎:訳

大原ゆり:絵

(岩崎書店 1976年8月刊)





岩崎書店から刊行された「アンデルセン文庫」シリーズの中の一冊です。

大原ゆり氏のイラストは優しい色調です。カラーは扉絵の1枚のみというのがちょっと残念。でもモノクロでも海の底の人魚の世界が魅力的に描かれています。










読者として想定しているのは小学校中学年くらいかな。訳文は平易で親しみやすい文章ですが、原作には忠実です。

訳者の鈴木徹郎氏は北欧文学者ですが、本作を訳すにあたり原作のロマンチックな雰囲気を活かすため、デンマークの方に朗読してもらったテープを聞きながら作業した、とあとがきにありました。



この岩崎書店のアンデルセン文庫のシリーズは、最近古書店で見かけて初めて知りました。60〜70年代は、私の知らない「人魚姫」がまだまだありそうです。