新年最初の人魚本は何にしようかと考えましたが、やっぱり「人魚姫」で。
新井五郎の絵の人魚姫は、以前に表紙画のみを描いた偕成社の本をご紹介しましたが、今回は全て新井氏の絵です。
「人魚姫」
新井五郎:絵
浪速洋子:文
(光洋社刊)
新井五郎は多くの絵本や児童書に挿絵を描いていますが、経歴はネットで探しても生没年(1900 - 1990)以外の情報は見当たりませんでした。
明るい絵柄ですが派手ではないですね。品の良い色遣いだと感じました。
ところどころパステルを使っているのかな?尾びれなど柔らかな表現になっています。
海の魔女はそれほど恐ろしげではないですね。文中では魔法使いとなっています。
文を書いた浪速洋子は初めて聞いた名前ですが、光洋社の出版物に多く執筆しています。
王子様を初めて見た人魚姫、「おはなししたいとおもいました。」という一文が可愛らしいです。
幼児向けなのでページ数は少ないものの、全ページがカラフルで美しい絵本です。
刊行年は記載がありませんが昭和30年代末くらいかな?
童話集だけでなくこうした幼児向け絵本も、色々な「人魚姫」が出ているんですね。