ずいぶん間が開いてしまった人魚本の紹介記事。

うっかりしていると今年が終わってしまいそうなので、

積読本の中から見つけた童話のアンソロジーコミックから

「人魚姫」をご紹介します。

 

「本当は恐ろしい童話・伝説」というコミックで、

誰もが知っている有名な童話を7名の漫画家がダークに描いた作品集です。

一時こういうの流行りましたよね。

グリム童話のように初版の話ではずいぶん残酷な描写のある昔話もありますが、

アンデルセンの「人魚姫」はもともと創作だし、どうやって怖いお話にするのかな、と

思いながら読みました。

 

 




 

「本当は恐ろしい童話・伝説」

(小学館 2016年6月刊)

「人魚姫」牧原若菜:作




 

 

2年前の刊行なので、ネタばれは避けますが、

結論から言ってしまうと、そんなに怖くはないかな~。

王子と結ばれないとわかった人魚姫が短剣で刺したのは王子ではなく・・・

なんて書いたらわかっちゃうか。

あまり意外性はないのですが、原作の流れをある程度踏まえると

やっぱりそれほど改変できませんよね。

ビジュアル的にちょっと不気味な個所はありますが、

怖いというほどではないかも。(私個人の感想です)

絵柄は、ザ・少女漫画とでもいう感じでとても可愛いです。

雑誌「ちゃお」から出ているホラーのシリーズということで、

絵の可愛さも納得です。

 

 

他のお話では、兄二人にさんざんこき使われた末の弟の子豚が

最後に復讐するという「三匹の子豚」が面白かったです。

結末が、というよりお兄さんたちの意地悪のしかたや図々しさが

ああ、こういう人っているかもね~、と思わせられて。