土曜日の深夜から新宿の映画館でアニメーション作品「デビルマン crybaby」を観てきました。
今年の初めからネットで配信された同作の全10話をまとめて上映するという企画で、旦那の誘いで一緒に観に行きました。

デビルマンは私は子どもの頃テレビアニメを観ていて、原作は大人になってから少し読んだけれど、ストーリーについてはかなりあやふや。果たして付いていけるかしら、と思っていましたが。
湯浅政明監督によるこの作品は、原作の世界観やおおまかな設定は残しているものの、ストーリーやキャラクターはかなり脚色しているので、デビルマンを初めて観るという人でも分かりやすく楽しめると思いました。





人類が誕生する以前からこの世界にいた悪魔たちが繁栄した人類に取り憑くという設定で、悪魔の一族の姿は昔のアニメよりもポップというか、さっぱりした造形です。
原作では迫力ある姿の妖鳥シレーヌも、本作では色っぽさは残しつつあっさりしたイメージ。
不動明、飛鳥了、牧村美樹など主要なキャラたちも、今風で軽やかな容姿です。
もっともストーリーは回を追うにつれ残酷さを増していくので、重厚な絵柄だと陰惨になりすぎてしまうかも。これくらい明るい絵のほうがバランスが取れるかもしれません。





crybabyという副題の通り、登場人物たちはよく泣きます。
主人公の不動明も幼少期から涙もろく、悪魔と合体してデビルマンになってからも怒りで、或いは悲しみで涙を流します。
たとえ身体は悪魔に乗っ取られても心は人間らしさを残している、という象徴が泣くということなのです。
幼い明の涙で始まり、サタンの正体を現した了の涙で終わる。
人間を襲う異生物としての悪魔の恐ろしさを描きつつ、本当に恐れるべきものは人間の内側にあるのだな、と思わせる作品でした。









オールナイト上映だったので途中で眠くなるかなと思ったけれど、緊張感が途切れない演出のおかげで最後まで集中して観られました。
その分日曜日はヨレヨレでしたけどね~(^_^;)。