今回は堀内誠一の挿絵の「赤いろうそくと人魚」を
ご紹介します。
「赤いろうそくと人魚」
(1981年 あかね書房 刊)
堀内誠一は今更いうまでもなく、
日本を代表するグラフィックデザイナー、
イラストレーターのひとり。
私はこの人の絵は、谷川俊太郎訳の
「マザーグース」の挿絵で初めて知ったのですが、
そのときのパステル調の柔らかなタッチとちがい、
この「赤いろうそくと人魚」の挿絵は繊細なペン画です。
お腹の子どもの行く末を想い、
夜の海を見つめる母親の人魚。
憂いを帯びて佇む人魚と荒々しい波の描写が
対照的で、なんとなくこの物語の結末をも
暗示しているかのような絵です。
この本は探しているときはなかなか見つからず、
ネットの古本屋さんで見つけたときは
本当に嬉しかったです。
が、購入して一年ほどして何気なく
再び検索してみたら、何冊もヒットした・・・。
まあ、本に限らず、そんなことってありますよね~。