こう言うのにふさわしい季節が今年もやってきた。暑さが抜けてきているようで、まだまだ暑い。でも涼しくもあり、寒くもなる。この時期は、たくさんの温度が同じ日に訪れる。
夏のぬけがらはとても切ないアルバムだ。わたしはこう思っていたのだけれど、父親はそうは思わなかったようだ。本当にいろんな感じ方がある。
私がこのアルバムから見る世界は、とても寂しくなる夏の夕暮れ時だ。学校の校庭の、水飲み場があって、遠くの、たくさんの木が見えて、その隙間から夕焼けがたくさん溢れてきて、校庭をオレンジ色に染めていく。広い広い校庭には人は一人もいなくて、それを昇降口から眺めているような、そんな気分。夕焼けのきらきらは水飲み場の蛇口に反射して、いろんな方向に飛び散っている。乾いた砂は動くことなくじっとしていて、部室棟は誰もいないのを際立たせている。セミが鳴いてるはずなのに、誰も何もいってなくて、とても静かな。私が一番寂しく感じるのは夏の夕暮れ時だから、その場面にここまでぴったりの世界を見せてくれるこのアルバムはちょっと私の特別だ。そして、その世界は寂しくて懐かしくて、それでいてどこか悲しい。ぽっかりとなにか、穴が空いたような気持ちになる。
こんなに鮮明に、くっきりと情景が浮かんでいるのに、それにぴったりな言葉も説明をできないのがもどかしい。でもやっぱり感じ方は人それぞれ。感じたことが本当だから、こんな感想はほっといて、自分だけの景色を見て欲しい。