~海へ行くつもりじゃなかった~
さいきん、好きになったバンドがある。先ずのは、そのバンドのアルバムタイトル。フリッパーズ・ギターである。知ったのは一ヶ月ほど前で、たくさんの曲を知っていくうちにどうにもすきになってしまったのだからたまらない。小沢健二さんのなんとやわらかくて癒しを感じさせられる声のこと、想像力が掻き立てられる歌たちである。
わたしが特に好きなのはカメラ・トーク。てっきり90年代ぽさが否めないかと思ったけれど、そんな雰囲気はまったく感じさせない。褪せず、けれど当時の洒落っ気が伺える音がなんともふしぎですきなのだ。渋谷系なんて呼ばれていたのもなんだか納得のいくような洋楽を彷彿とさせるメロディと、それを倍々にさせているのは小沢健二の声質なのかもしれない。中性的、だけでは言い知れない、やさしい、ともどこか違う。うまく表現できないのがもどかしいが、聴けばわかるすてき な歌声。なんだか気品さえ感じさせてしまうようなおとの世界の中に、不気味な歌詞が見え隠れしたりする。ジャケットから垣間見える、あの頃にはあまり見られなかったであろうお洒落さたっぷりなジャケットもすきだ。1枚目、2枚目、3枚目。どのアルバムも見せてくれるイメージがガラリと変わるのがおもしろい。また違う音楽のドアをいとも容易く教えてくれたかれらの音楽に出会ったこの冬、わたしは、この冬をきっと忘れることは出来ない。わたしを作り上げる1枚に、きっとなるはずだから。
