国宝「太刀無銘一文字」(山鳥毛)に会いに行ってきました | 雪の上に照れる月夜に梅の花

雪の上に照れる月夜に梅の花

雪月花の時 最も君を想う…土方歳三、新選組、薄桜鬼大好き

四連休の最終日、岡山県瀬戸内市長船にある「備前長船刀剣博物館」に、山鳥毛さんに会いに行ってきました。

山鳥毛さんの里帰りプロジェクトに参加させていただき、一年間有効の博物館無料見学パスポートを頂いていたので、無料期間中に是非山鳥毛さんに会いに行こう!と思っていた矢先のコロナ禍。
春のあるはずの公開は延期となってしまいましたが、事前予約制で見学者人数を絞っての公開が決定、さっそく娘と予定を合わせて予約し行ってきました。
 

Googleでルート検索をしたところ、我が家からは新幹線でも車でも約3時間でほとんど変わりがない。
うまく行けば車の方が早い。
現地での移動を考えたら車があった方が便利と判断したのでそうしました。
 

予約は時間的余裕を見て午後一番に。
ということで、朝8時半くらいに家を出ました。
だけど、ナビに行き先を入れて、出発して高速に乗ってから焦った。

3時間くらいで行こうと思ったら、時速100キロくらい出さんとあかんやん💦

ということで、普段は近所に買い物に行くのにのんびり運転する程度の私、必死の思いのドライブでした。

 

なんとか間に合って到着。
途中のサービスエリアで何か食べるという時間が全く取れず、娘も私もお腹減ってて何か食べたかったのですがあれこれいろいろ食べるというほどの時間もなくて。

とりあえず話題のパフェだけは食べることにしました。
 

 

梨のとマスカットのを一つづつ注文。

マスカットと梨が美味しいのは勿論なんですが、塩アイスがすごく美味しい。
ほんのりと塩味がするミルキーみたいな味。これクセになりますね。
写真には写ってないですがパフェの中に粒あんが入っていて、それが塩アイスとすごくよく合ってめちゃ美味しい。絶品でした。

底に入っているバームクーヘンも優しい味で美味しかったです。

 

博物館内に入館できるお客さんは一時間に30名くらい?というところだろうか?
パフェ食べていたので時間が来て所定の位置に並ぶのがもうほぼ最後だったけれど、すごく人数にゆとりがあるので全く問題なし。

すごくゆったりゆっくり一つ一つ刀剣を見ることが出来てむしろラッキー。

めちゃめちゃ贅沢な展覧会です。

 

「刃文 ~千変万化の美~」と名付けられたテーマ展でした。
最後の山鳥毛を入れて全部で40口という、なかなか盛大なテーマ展です。

しかも「刃文」というテーマに絞ったものなので、素人の私にはとても面白い展覧会でした。

刀剣の説明ってすごく難しくないですか?
一つ一つの単語の意味が今一つ分かりづらかったり。
だけど今回は刃文にほぼ絞っていて、一つ一つのお刀の刃文の特徴と、その特徴的な刃文がそのお刀のどのあたりに見られるかを図で示してくれていたので、説明を読んでその部分を実際に自分の目で見て単眼鏡なんかも使ったりして確認が出来たのがすごく大きな収穫でした。

「刀剣博物館」というだけあって、展示の高さとライティングが絶妙。
私は刀剣の専門の博物館はここが初めてだったのですが、さすがですね。

今回の展覧会ほど刃文が観やすいと思ったのは初めてです。

それになによりも人が少ないので一つのお刀をほぼ一人で独占してみる感じだったので、誰にも気を遣わずに単眼鏡で刃区から鋒までじっくりと満足いくまでみられたんですよ。
私は今回無料で見せて頂けたのですが、入場料払ってもよかったくらいだし、入場料も安いです。倍にしても良かったんじゃないのかしらと思いました。

 

山鳥毛さんは展示の一番最後、オオトリでした。

 

39口の様々な刃文をじっくりと見た後、満を持しての国宝・山鳥毛とのご対面です。

ちょっと緊張したキョロキョロ

 

 


 

スマホだとうまく撮れないですが💦

 

山鳥毛さんは既にいろんな本やなんかの写真で何度も観ています。
写真ではすごく華やかで派手な刃文。一歩間違えば下品になってしまわないかと感じるほど。
でも、本物は全然違いました。

写真はやっぱり波紋をできるだけはっきりと見せようとしているわけですよね。

お頭!ごめんなさい!(土下座)
実物はもしかしてちょっと下品に見えるかも?とか想像していた私をどうか許してください。

堂々とした姿に、艶やかな刃文。落ち着いた輝き。
下品なんてとんでもない。すっごい風格のあるお刀です。

かっこよすぎて感動しました。
会えてよかった。

一回観てから、もう一度並んで二度見せて頂きました。
 

 

先日娘が私の父から念願の一眼レフのカメラをもらいまして、今回写真撮影可能なので一眼レフ初出動。
最後、一眼レフを持ったお客さんが娘を入れて三人、時間の最後まで残ってパチリパチリ。
いやもう、一眼レフあってよかった。

一眼レフの写真は奥行きや雰囲気が出るのでめちゃめちゃ綺麗でした。
娘が撮った写真なのでこちらに載せられないのが残念です。

 

さて、一階には常設展?かな?
刀が出来るまでの展示がありまして、それもすごく興味深かったです。

特に、刃文の付け方(土置きの方法と出来上がる刃文の違い)がすごく詳しく説明してあって、とても勉強になりました。
 

テーマ展の中にも「砥ぎ見本」というのがあり、どういうふうに研ぎが出来上がっていくのかがわかるようにしてあったのも面白かったです。

 

ということで。

 

 

記念撮影。うまく撮れてないけど一応記念に。

 

さて「刀剣の里」なので、いろいろな見学施設があります。

(備前長船刀剣の里パンフレット)

 

コロナ禍で中止になってしまっているのですが、鍛刀場の刀匠、研師、彫金師、白銀師、鞘師、金工師、塗師、鍔師、柄巻師など、日本刀に携わるそれぞれの職人さんのお仕事を目の前で見たり体験ができる場所だったようで、本当に是非近くで見たかった。
この日は刀匠の方と、金工師さん、研師さんが実演をしていらっしゃいましたが、近くでみることが出来ず硝子越しで離れて眺める感じでした。

それでも、研師さんはその研ぐ姿が、立膝でもう片方の足を固い箱枕ようなものに載せて座って研ぐ感じで、すごく不安定に見えるというかものすごく大変そうで。
私だったらあんなふうに座ることからして出来ないぞ、きっと。
金工師さんは離れているので手元を見ることができませんでしたし、他にも鞘師さんとか柄巻師さんとかのお仕事を是非見てみたかったです。
 

それと備前長船刀剣の里パンフレットの「備前・備中・美作(みまさか)の刀匠系譜」という図がめちゃくちゃわかりやすくて、もらってきてすごくよかった。

山鳥毛さんのパンフもすごく丁寧でわかりやすい内容でした。

 

 

大事に保管しようと思います。

 

 

さて、見学を一通り終えてふれあい物産館でお土産を物色。

 

 

とうらぶコラボのクリアファイル二種

あとは包丁のさび落とし、刀の下緒、お刀用防錆油、そして玉鋼

 

包丁のさび落としは、砥石ではないけど少し出てきた錆を消しゴムを使うような要領で応急処置的に落とすというもので、見たことないものだし安かったので使ってみることに。

 

 

娘に刀の下緒を一つ購入。1700円也。

真田紐のものとか組み紐的な綺麗なのもあったのですが、娘が柔らかめで結びやすいもののほうが使いやすくていいというのでシンプルなこちらを。

黒・モスグリーン・紺・濃茶・茶の五色あった。えんじがあればよかったのになあ。

こちらは打刀用ですが、脇差用の心持ち細目で少し短いものもありました。

 

刀の錆び防止用の油。

何の油かどこにも書いていないのですが、多分?丁子油?かな?
これ、結構高いのですよね。
20mlぐらい?の小さなボトルで700円。

それでもネットなんかで買うよりも随分安い。
剣術に使う模造刀や居合刀の錆止めに使います。

娘は打ち粉まではしませんが油は使っている。

でも刀油は高いからと椿油で代用していました。

 

そしてこれ!

 

 

玉鋼~!!!

 

これの半分くらいのものからもっとずいぶん大きいものまで、いろいろ売ってます。

ブルーと金の色が入っていて綺麗でしょ?
ちょっと欲しいなと思って見ていたら売り場の人がストックをいろいろ出してくれて、比較的安いもののなかから綺麗な色の入っているものを探してくれたので、お買い上げ。

500円玉くらいの大きさのこれで2500円也。

 

玉鋼がなくては日本刀は作れないのだけれど、最近はこの玉鋼を作る人も少なくなり困っているそうです。

たたら製鉄というと「もののけ姫」を思い出しますね。

 

 

模造刀や居合刀、包丁、ペーパーナイフ、目貫、鍔などなど、いろいろ売っています。

ですが、カードが使えない場合がある(お菓子やなんかは5000円以上で使用可能、目貫などは現金オンリー)のでご注意。

 

きんつばをお土産に買って帰るつもりだったのですが、いっぱいあるから大丈夫と油断していたらみなさん見学前に既に予約をしていて、予約がいっぱいだということで買えなかった( ノД`)シクシク…。

みんな賢いわ。

 

 

さてもうお腹ペコペコで、長船ドライブインへ。
山鳥毛さんのパンケーキは……お腹が空きすぎでパンケーキよりガッツリ食べたかったので諦めました。

 

それから靭負(ゆきえ)神社へ。

 

とっても小さな神社で、すでに常駐の宮司さんがいらっしゃらない神社なのですが、鎮守の森もちゃんと残っているなかなか風情のある神社でした。

 

展覧会のある期間は土・日・祝日のみ、こちらの神社をお世話されている木鍋八幡宮から宮司さんが出張してきていらっしゃいます。

御朱印を頂きました。

 

 

とっても綺麗な御朱印でうれしいな。

写真の右上の柄巻の写真のものが今回の展覧会のチケットの半券です。いいアイディア。

 

神社の方が3人いらして、それと多分ご近所?の氏子さん?が二人いらして、私たちとあと4人審神者さんがいて、それでもう拝殿は満員状態。

そんな小さな神社ですが、お参りをして御朱印をお願いしたら「待っている間、どうぞ上ってください」と言われ、拝殿に上らせてもらってよく見たら、奥行きはきっちりあって奥に小さいけれど綺麗な本殿がちゃんとありました。
由緒ある神社なんだなあと感じました。

上がると氏子の方から「神様のお下がりですがどうぞ」と駄菓子を頂きました。

それがなんだかすごく懐かしくて。

昔、まだ私が小さかった頃、本家や近所の神社やお寺やなんかで神棚や仏様の「お下がり」のお菓子を頂いていたものですが、今住んでいるところは新興住宅地で周りにお寺も神社もないしうちには仏壇も神棚もないので、「神様のお下がり」って言葉、聞かなくなってしまった。

 

何年か前、土方歳三が子どもの頃悪さしたという神社をさがして見に行ったのですが、もうそこはほとんど何もなかった。
なんだか寂しいなと思って帰ってきたのですが、この靭負神社を見て「こんな感じだったのかなあ」なんて思ったりしました。

鎮守の森が子どものあそび場だったというのはもう遠い昔の話ですね。

今だと見通しが悪くて危険な場所で子どもが遊んじゃいけないところになっちゃいますよね。

 

 

 

もっといろいろ観に行きたいところはありましたが四連休最終日。

渋滞に遭わないうちに帰ろうということで早めに帰路につきました。

 

 

 

ところが……。
しっかりはまりましたよ、事故渋滞えーん
そのうえ、なんだか知らないうちに「新名神」なる高速道路が一部開通していてナビが役に立たたない。ナビの言うとおりに来たはずが高速道路に乗ってるんだけれど迷子、今私どこにいるの?ナビ見たら何もない山の中だよっむかっむかっむかっという状態になり……。

 

こういうときホント困る。
だって、高速道路の標識って「大阪行く?それとも京都?」しかないのですよ。
え……大阪からでも京都からでもどっちでも奈良には帰れますがどっちが早いの?正解なの???

 

そんなこんなで遠回りしてしまったようで、行きは3時間行けましたが、帰りは6時間かかった(食事休憩込み)という……。

 

距離的には以前に土方さんの兼さんに会いに行った岐阜県博物館と同じくらい、いやむしろちょっと近いはずなのに、車で行くのはわりとしんどかった。

 

新幹線で前乗りして岡山で一泊したらよかったかなあ。
倉敷とかも行ってみたかったかもだし、時間があれば福岡一文字の故郷にも行ってみたかったな。
 

 

ところで、備前長船の福岡と、現在の福岡。

「福岡」という言葉に何か特別の土地の特性を現わす意味があるのではないかと検索してみるのだけどわからない。

 

たとえば、全国に「津」のつく地名が沢山あるけれど、それは「港」を意味するとか、そういうやつ。

 

どなたか知ってる人がいたら教えてください。

 

そういうお話がめちゃめちゃ好きなので。

 

 

ということで、帰りは大変だったんですが、とても楽しい日帰り旅行でした。
娘も喜んでくれたのでよかったです。

 

 

また行きたいな、備前長船刀剣博物館。