夢…
嬉しい、楽しい夢、
怖い、不安な夢、
意味不明な夢など
さまざまなストーリーが
現れますね。
夢は
意識にしばられた現実世界ではなく、
無意識レベルの
ドラマを語っています。
また夢に現れるシンボルの意味も
それぞれの人生経験で
違ってきます。
ここであるクライアントさんが不安に感じていた夢を
どう解釈し、そして夢が前進する糧にも
成り得るという例をご紹介します。
50代女性Aさん（母亡き後同じ夢を何度も見る）
夢の概要
母親と二人で電車に乗るために歩いている。
辺りは夕方、ところどころ、
現在と過去が入り混じった
なじみ深い駅の風景。
二人の服装も30年ほど前の様子。
途中崩れたような石の階段があり
母親がそちらに行こうとしたので
Aさんが止め、母の手を引いて
違う安全な方へ導いた。
母親も彼女に従い一緒に歩いた。
分析
二人で歩いていたということが
長年二人で支え合ってきた
実生活の状況を表しています。
景色が過去と混在しているのは
母親がまだ元気だった頃を
なつかしく思っていると同時に
過去ではありえない
「母親の手を引いて歩く」ということは
実際、病床に就いていた母への思いが
表れています。
階段は人生の方向を意味し、
崩れた階段に行こうとしている
母親の姿は病気の発覚、
さらにAさんがそれを止め
安全な方へ
誘導しているのは
母を看病するという
想いや使命感の
表れとみることが出来ます。
娘にはなるべく頼らない母親が
娘のAさんの誘導に
素直に従ったのは、
それまで母親がリードしていた
二人の生活がAさん主導になりつつあり
自分で人生を歩いていくという意味です。
母親が亡くなってから
何度もこの夢を見るのは、
バトンは渡され、
「そう、これでいいのよ」と
いう母親の想い、
前を向いて歩いて行くという
Aさんの
人生の覚悟を支える夢
であると分析できます。
電車に乗るため駅に
向かっている様子も
駅が表す「新しい旅への始まり」が
Aさんのこれからの
人生を後押しするものです。
＊＊＊＊＊ Aさんの感想＊＊＊＊＊
ずっと2人暮らしだった母が
1ヵ月足らずの闘病生活で他界し、
しばらくは無我夢中で
むしろ何も考えないようにして
過ごしました。
1年近く経った頃わりと
はっきりした夢を見、
母の表情や声や服装も
懐かしくて泣きながら
目を覚ましました。
でも何度か同じような
夢を見るようになって、
これは「何かの暗示かな」と
思い始めました。
見慣れた駅前の地下道へ向かう
階段が崩れかけていたりして、
「出てくるアイテムの不吉さは
よくないことの表れ？」と
気になったのです。
先生のカウンセリングの結果は正反対でした。
「その階段を降りなかったのだから、
危険を回避したということでは？」と。
そして「お母様は今のあなたに
『それでいいのよ』と
仰っているのかもしれませんね」と
言っていただき、
急に涙が出ました。
一周忌後の1年間ぐらいは
母のことで泣くことがなくなったのに、
安心して、ずっと張っていた気が
ほぐれたのだと思います。
身近な人に話したら「大丈夫？」
「そんなこと気にしてたの？」などと
余計な心配をかけそうで
口に出せないようなことも、
先生のように客観的な立場で
聴いてくださる方には
包み隠さず話すことができます。
それだけでも毎回、
心の解放になっていると感じます。
あたたかく、
けれど立ち入りすぎず、
こちらが心地よく
適度と感じるような
カウンセリングの
“距離感”は
先生ご自身のお人柄、
品格によるものではないでしょうか。
「私もまだまだ勉強したいことが
いっぱいあるんですよ」と
言われる先生には、
ありきたりな言葉ですが
元気をもらっています。
夢が語る未知の世界、無意識の世界を
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