劇場を観て。 | 何処にも売っていない、藍染め作品集。

今日も曇り空。昨日と変わらない今日が続いている。

 

昨夜観た、又吉の「劇場」が響き過ぎてしまって、言葉で書き起こさないと、感情がうまく処理できない。

 

下北沢、演劇、作家。

 

誰しもが、何かを夢見て、生きていく。

 

自分の才能を信じて、そして無能さを感じて、脱力して、何かにあたり、又繰り返す。

 

若者の心に眠っている、俺も凄いんだという野望や、素直になれない感情。嫉妬、妬み、愚直さ。

 

自分を見ているかのような錯覚を抱きながら、

 

あの時に一緒にいた人を思い出す。

 

自分の事しか考えられない自分と、それを支えようとした人。

 

何かで成功するには、何かを犠牲にしなければならない。

 

成功とは何か。

 

お金を稼ぐ事ができる事なのか、多くの人に認められる事か。

 

男が考える幸せと、女が考える幸せの根底が違うのか。

 

そもそも、男がバカで、何も気が付かないで、自分勝手に生きているから、ダメなのか。

 

何も変わらない事は、良い事なのか、悪い事なのか。

 

そもそも、変わろうとして、悩んでいく。

 

人の根底は、誰に何を言われても、変わる事が出来ない。

 

年を取ると、少し変わったかなと感じる事もある。

 

人当たりが丸くなる。我慢が出来る。しょうがないと割り切る事が出来る。

 

現実を受け入れる事が出来る。人との違いを受け入れる事が出来る。別れを受け入れる事が出来る。

 

自分が死んでいく事は、まだ想像が出来ないが。

 

いつかは、そうなる。

 

 

心が落ち着く場所、最も安全な場所。

 

居心地の良い場所は、人をダメにしていくのか。

 

 

東京は、人が一杯いて、孤独も感じる場所だった。

 

埼玉の川辺にいると、孤独が気持ち良くなる。

 

蝉の鳴き声、鳥のさえづりが聞こえ、カブトムシをこんな木で取ったなとか、

 

小さな時の記憶に触れる時がある。ゆっくりと歩いている。

 

育った場所にいると、東京の速度は感じない。

 

 

確かに、東京の風景は、人との風景だった。

 

誰と居たのか、何を話したのか、心の隙間を埋める作業が多い場所だった。

 

 

若くして成功しなくてもいい。

 

時間は未来から流れてくるという。

 

最後に成功を感じれば、すべての過去は、必要な物となり、後悔は無くなる。

 

すべての自分を許してあげる事が出来るだろう。

 

人との繋がりが、人を幸せにしていくのだから。