誰にも言っちゃダメだよ。それは、一番の蜜の味。苦くて、切ない。どうして、どうして。理解出来ない事がすぐ隣近所で起こっている。他人事のようにニュースで見聞きしている事は、実はすぐ我が身に起こるかもしれない出来事。ちょっとした選択の違いで、小さな曲がり角を曲がっている。それは、良かったのかどうかは誰にも分らない。
心の中で処理出来ない感情が次々と起こった7年前。3.11は、もう遠い昔の出来事のように感じてしまう。あんなに揺れて、計画停電が起こり、信号は止まり、自動ドアさえ動かない。エレベーターなんてただの箱。節電しなきゃと電気を消したあの頃の感覚はもう残っていない。ある意味では良かった。普通の生活の中で、小さな悩みを抱えて生きて行ける。
福島の原発はいまどうなってるのか。もうホントに分らない。ニュースの奥の奥に埋もれている。六ヶ所村の廃処理場の事、再稼働、電気は足りているのかいないのか。豊かさの裏に隠れたいじめや虐待。幸せに暮らしているであろう友達の事は、もう何も気にならない。大人という鈍感な生き物になっている。
僕はがま口だよ。何も言わないよ。何も話さないよ。見てみて。と目を輝かす。心の紋様は、虹になったり、闇になったり、色々だ。何にも悲しい出来事が無くてもだ。過去を振り返っても何も起こらない。楽しくない今なら、明日、どうするか。その小さな積み重ねでいいんだよ。と。
bluehands