蒼の隠れ家 番外編 1 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
ご理解いただける方のみお入りください
(男性の方のご入室はお断りいたします)

蒼の隠れ家の開店時間は午後5時

お一人様向けのにショットバーだ

マスターは開店時間の2時間くらい前から

料理の仕込みなどを始める

ウェイター君の出勤時間は

大体30分前が目安

ただ、彼がそれを守ることはあまりない

開店前の仕事は看板の上のカンテラを点ける事だと

勝手に思い込んでいるからだ

世間様はゴールデンウイーク

彼も連休を満喫しているようだ(知らんけど)

 

連休は残すところ今日を入れて二日

「明日は10時に来るように」と

マスターに言われたウェイター君

思わず「なんでと聞き返した」

「明日の開店時間は午前11時だから」

ウェイター君でも想像できる答えが返ってきた

聞きたかったのは

『どうしてその時間に開けるのか?』なのだが

それ以上聞いても面倒くさそうな顔で

答えてくれないと思い

質問を引っ込めて「分かりました」とだけ答えて

店を後にした

 

朝はめっぽう弱いウェイター君

目覚ましを3個ぐらいセットして眠りについた

気が付いたら、時計の針は既に10時を指してて

慌てて部屋を飛び出した

(寝癖も直す暇もなかったようだ) 

 

店の前に着くと看板だけは出ていて

「貸し切り」の札が掛かっていた

 

貸し切りなの?

それも聞いていない ・・・

 

まじまじと看板を観察すると

「こいのぼり」の絵が描いてあった

 

「ああ~ 子どもの日だ ・・・

 って事はお客様はこども?」

 

漸く11時開店の意味に行き着き

納得した顔で店への階段を下りていく

ドアを開けて中に入ると

 

「おそい!」って言葉が飛んできて

思わず声の主を見ると豆屋さんだった

 

「マスター お宅のウェイター君って

 いつもこんな感じなの?

 開店まで15分もないよ」

 

呆れた表情で奥のマスターに視線を向ける

 

「まあ、早い方じゃない(笑)

 突っ立ってないで早く支度して」

 

「はい」

 

マスターは遅刻しても怒らない

何故なら、開店前の戦力には

全くならないからだ

彼の仕事のほとんどは接客

 

「普通なら絶対にクビになるよ

 家では使わないな」

 

「豆屋の所で働きたいって奴いる?」

 

奥からMasterが顔を覗かせて

くすくす笑った

 

「確かに開いてるかどうか

 分からない店だし」

 

マスターが同調したように笑う

 

「気儘な客商売だからね

 確かにバイト君は要らないな」

 

3人で大笑い

 

「あの ・・・ 貸し切りって誰が来るんです?」

 

「決まってるだろ

 ちびちゃん御一行だよ

 夜は連れてこれないからね

 子どもの日のお食事会兼

 魔女の部屋の記念日の打ち合わせだよ」

 

豆屋さんが当然のことのように話をする

全く聞いてないから知らないウェイター君は

鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした

 

「あと10日で記念日らしい

 チビちゃんが発起人になって

 パーティーなのか

 イベントなのかを

 やりたいんだって」

 

打ち合わせ内容を詳しく話してくれるマスター

 

「へ~ ・・・ そうなんだ」

 

分かったのか分からないのか

はっきりしない曖昧な返事をする

(分かってないよね)

 

「だから、結構人が来るから

 ほら、のんびりしてると

 彼らがやってくるよ」

 

いつになく忙しないマスター

 

子どもの日ですから

楽しい一時を過ごして欲しいと

マスター、豆屋、ケットのMaster

腕のよりを掛けて沢山の料理を準備中

 

 

そろそろおチビちゃんたちが

やってきそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>