Tell me why 3 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
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(男性の方のご入室はお断りいたします)

エントリーすらしていないのに

friendshipから一次試験の通知が来た

どうしても行く気になれなくて

丁寧に断りのメールを入れた

にもかかわらず

何故か内定が出ていた 

(friendship3次試験まであるのに)

 

彼がどこにいるか知らないけど

多分、ダンス(芸能)の世界にいる

 

別れ際、彼が言った言葉

音楽をダンスを楽しんで欲しい

出来るわけがない ・・・

何を聞いても何を見ても

彼を思い出す

だから ・・・ 距離を置いた

 

「野良くん」

 

後ろから声を掛けられ

振り向くとピ~ちゃん

ピ~ちゃんは今年3年生

夏休み明けからドイツに留学する

 

「ピ~ちゃん、元気だった?」

 

「元気と言えば元気(笑)

 気儘に生きてますよ」

 

「よく言うよ

 気儘にドイツに行くか?」

 

「気儘だから行くんですよ

 友人もいるので何とかなるかな」

 

兄さまのいない大学は楽しくないと言う理由で

留学すると言ってた

実際は現代アートを学ぶ為だと思う

 

「ドイツ語は?」

 

「英語が出来れば生活には困らないようだけど

 授業はドイツ語なので勉強中

 夏休み入ったら

 直ぐに向こうに行きます」

 

「住む所とか決まったの?」

 

「友人の部屋に転がり込みます

 家賃は折半ですけどね」

 

「もしかして、友人って大ちゃんの教え子?」

 

「大ちゃんじゃなくて

 大野画伯です!」

 

毎回訂正される

ピ~ちゃんにとって尊敬する人だからな ・・・

 

「画伯と呼ぶと俺の頭にはあと二人浮かぶんだって」

 

「蒼の魔術師の大野画伯

 もう一人は ・・・ ああ!誰時の画伯だ

 なんで畑違いなのに知り合いなの?

 絵とか見たことある?」

 

「どちらも見たことはない ・・・」

 

蒼の魔術師は会ったことが有る

大野画伯は知り合いではあるけど

そこまで深く知らない

 

「やっぱ、兄さまの関係者だよね ・・・

 う~ん、一体どこにいるんだろう」

 

その話はしたくない

 

「悪い、ゼミに間に合わない

 んじゃ ・・・」

 

話を打ち切ると

ピ~ちゃんが申し訳ないって顔をして

 

「ごめん」って謝った

 

「謝んなくていいよ

 向こうに発つ前にランチでもしよう」

 

「ええ、そうしましょう」

 

社交辞令になる可能性大だけど ・・・

そそくさとその場を離れた

 

friendshipの彼に会いに行くべきだよな

就職するつもりはない事を伝えてこないと ・・・

 

ゼミが終わり

時間も有ったのでfriendshipの事務所に向かった

 

受付で名前を告げると

アポイントメントは取ってるかと聞かれた

そうかそうだよな ・・・

いきなり来て会えるものでもないのか ・・・

 

練習の時はパスを貰ってたから

すんなり入れたけど ・・・

 

「取っていないので

 出直して来ます」

 

「はい ・・・」

 

「野良君じゃない?」

 

またも野良君呼び ・・・

この声は無門さんだ ・・・

振り向くと正解

 

「御無沙汰しています」

 

「翔に会いに来たの?」

 

「はい ・・・ ですが

 アポイントメントを取ってなくて ・・・

 出直そうかと思ってたところです」

 

「それなら大丈夫

 ちょっと待ってて」

 

無門さんは受付の人に

 

「friendshipに行ってるから

 直ぐに来て欲しいって伝えて」

 

それだけ言って

俺の腕を掴みビルの外に出ていく

 

「野良君、内定断りに来たんでしょ!」

 

ズバリ言い当てられて

まごついてしまい

そのまま黙って無門さんについて行く羽目になった

 

 

 

 

 

<続きます>