花の香りと共に 42 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
ご理解いただける方のみお入りください
(男性の方のご入室はお断りいたします)

初詣から戻った面々は

福笑いに双六、かるたの興じて

のんびりと穏やかな元日を過ごした

翌二日は初売りで

上毛屋も若智屋も朝から大忙し

さとちも邪魔をしないよう

サクちゃん達と遊んだり

翁にお習字を習ったりと

大人しく過ごした

 

「爺さん、客が来てるぞ」

 

お八つを持ってきた若ちゃんに言われ

渋い顔をする翁

 

「儂は来ておらぬと

 言ってくれればいいものを」

 

若智屋まで来る客の予想はついているらしく

忌々しそうに呟く

 

「じいじのおきゃくしゃまなの?」

 

寂しそうな顔をするさとち

 

「寺からの使いじゃな ・・・

 追い返してくるから

 少しだけ待ってておくれ」

 

「は~い」

 

翁が出て行ったあと

若ちゃんが苦笑いを浮かべて

 

「追い返せる用向きなら

 ここまで来ないんだがな ・・・」

 

ぼそっと呟く ・・・

 

「だいじなごようじ?」

 

「そうだな、爺さんが居ないと

 進まないんだろう」

 

「もうかえっちゃうの?」

 

「帰らねえが ・・・

 上毛屋に宿を変えるかもな」

 

未来からの客人がいる若智屋では

打ち合わせは出来ない

さとちが滞在してる間は

近くにいると決めた翁

そうなると、上毛屋が一番滞在しやすい

 

「それならあえる!」

 

嬉しそうに笑うさとち

未来に戻る日が近いことは

幼いさとちでも分かっているからだ

 

「そうだな

 それに、さとし殿たちは

 明日が忙しいよ」

 

「そうだよ、ちびちゃん

 明日はみんなが拵えた器を

 仕上げないといけねえからな

 どんな色にするかとか

 細かいことを聞かせてもらわねえと

 完成できないんだよ」

 

蒼灯がすかさず

まだまだやることが沢山あると

安心させるように話をする

 

「うん、わかっちぇるの

 あちたは がんばる~」

 

にっこり笑って

蒼ちゃんのお膝の上に座る

 

「そこは俺の膝じゃねえのか?」

 

蒼灯がちょっと拗ねた顔をするから

皆が大笑い 

蒼灯とは未来に戻っても会える

今は若ちゃんや上ちゃんと一緒に居たい

 

「じゅんばんだもん!」

 

「そうか順番だな」

蒼灯も納得した顔で笑う

 

お八つを食べた後

若ちゃんがさとちに耳打ちをする

 

「はんち もってくればいいの?」

 

「ああ、筆は私が用意するよ」

 

そう言われ立ち上がって

文机の引き出しに入った半紙を取りに行く

 

「なにかくの?」

 

「七福神を描くんだよ

 枕の下に入れて寝ると

 縁起のいい夢が見れるよ」

 

「ほえ~

 おいらみちぇていい?」

 

「ああ、いいよ」

 

若ちゃんが

さとち、サクちゃん、雑貨屋の為に

サラサラっと七福神の絵を描いた

 

 

 

今日はいい夢が見れるかな ・・・

 

 

 

 

<続きます>

 

お正月なのでこちらの話を

未来に戻るのは4日

あと2,3話で終わります

 

 

 

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