病院に運び込まれ
俺はすぐ女に連絡をした。
長時間に及ぶ手術のあと
容態が落ち着いたころには
夜も更けていた。
誰もいない受付ロビー。
俺のとなりにあいつが座ってる。
女「私たちのこと‥知ってたんですね。」
渋「あぁ‥横山からな‥」
女「あの‥
こんなこと言える立場じゃないんですけど
私はもう どうなっても構わないんで
彼のこと、見逃してもらえませんか‥?」
目に涙を溜めながら
必死な顔で俺を見つめる。
渋「おんなじこと言うんやな‥
ヤスも俺に
そう言いにきよった。」
お互いを思う気持ちが
涙となって頬に溢れ出す。
渋「ほんまに‥ヤスが好きなんか?」
女「ごめん‥なさいっ‥」
渋「なんでお前があやまんねん‥
お前を中途半端に扱った俺が悪いんや。
でもな、これだけは信じてくれ‥
お前と一緒の時間は
めちゃめちゃ幸せやった‥。
この道に入る前に
お前と出逢いたかったって
何回 そう思たかわからへん‥。
ほんまに‥
お前のこと‥
好きやった‥。」
肩を震わせながら泣いてる女の手を取って
目を見つめた。
渋「もう、お前の思うようにしたらええ。」
女「でも‥」
渋「その代わり、
二度と命を粗末にしたらあかん。
まぁ、ヤスがそばにおったら
そんな心配もないやろうけどな。」
涙でぐちゃぐちゃな顔を
俺の手で包み込む。
渋「ほんまは最後にキスしたいとこやけど
ヤスに怒られるからやめとくわ。
そろそろ、病室戻れ。
このままここおったら
お前のこと
離されへんようになってまうから‥」
女は自分の頬から俺の手を離し
深々と頭を下げ
その場を立ち去った。
携帯を取りだし
涙で曇る目を擦りながら
電話をかける。
渋「あー‥村上か?
悪いけど、ヤスが退院できるようになったら
全部の段取り取ったってくれ。
あぁ‥、あいつらの手 煩わさんようにな。
あと‥な、明日の夜にでも
下のもん集めて‥
たまには みんなで飲もや‥。」
ポケットに携帯を突っ込み立ち上がる。
喜ぶ村上の声を思い出し
少し苦笑いしながら
受付ロビーを後にした。
【END】
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんとか 書き終わりました。
本編よりスピンオフのほうが長いという
まさかの結果‥(笑)
本当は最終回で
すばるが女のことを
とてもとても好きだったこと
女もすばるのことが大好きだったこと
その気持ちをもっともっと表現したかった。
でも、これが私の限界で‥。
やっぱり文字で
風景、しぐさ、心情を伝えるのは難しいなと
今回、あらためて思いました。
長い間、お待たせいたしまして
読んで頂いた方、
本当にありがとうございました。