ベットの上。
その時が終わり
横たわったまま 女の話しを聞く。
一通り 聞き終わると
サイドテーブルに置いていた
タバコを1本 差し出した。
首を振る女。
俺は そのタバコに火をつけ
女の反対側に煙を吐き出す。
渋「‥で、おまえに借金被せた男は
今 どないしてんねん。」
女「わからないです‥
でも、その男が居なくなっても
借金取りは追いかけてくるから‥」
渋「それで、死のう思たんか?」
黙って うなずく。
要するに しょうむない男に引っ掛かって
金の為に働かされて
金がなくなったら暴力振るわれ
挙げ句の果てに無理やり保証人にされ
多額の借金 被されたっちゅう話し‥。
渋「お前、アホやろ?
なんで途中で逃げへんかってん。」
女「優しいときもあったから‥。」
あー‥おるおる、飴とムチに弱い女‥。
その典型やな。
渋「で、これからどないするねん。」
女「これからって言われても‥
死のうとしてたところ止められたから‥」
渋「なんやねん、俺のせいかっ。」
女「そういう‥わけじゃ‥ないですけど‥」
小声でボソボソと歯切れの悪い返事。
渋「‥あぁぁぁっ、もうえぇわっ、
俺が面倒みたるわっ。」
頭をボリボリ掻きながら言う。
自分でも なんでか
ちょっと 顔が赤くなってるような気がした。
そんな俺を見て
意味がわからず、きょとんとしている。
渋「だから‥その‥あれや、
俺がお前のこと雇うたるいうてんねん。
今日から俺の身の回りの世話や
なんやかんや 全部せい。
その代わり借金は全額、先に払たるから。
わかったか?」
女「いや‥でも‥そんなん‥」
渋「そんなんて なんやっ、
俺に雇われるんと 死ぬんと
どっちがえぇねんっ。」
女「それ‥は‥‥雇われるほう‥」
渋「ほな、決まりや、ええな。
じゃあ、ちょっと寝ろ。
ずっと不安で寝られへんかったんやろ?
おまえ 目の下のクマひどいわ。」
女の体を引き寄せて
すっぽりと包み込む。
女「あったかい‥安心する‥」
俺としたことが
なんでかドキドキしてもうて
心臓の音が
こいつに聞こえてるんちゃうかって
ちょっと焦ってる自分が可笑しかった。
しばらくすると寝息が聞こえてきた。
得たいの知れん男の腕の中で
無防備な顔して寝とるがな‥。
ほんまは、ヤルだけヤったら
捨てるつもりやったのに。
こいつと おったら
なんか調子が狂て‥もう‥て‥
ゆっくりと まぶたが下がり
徐々に眠りに引き込まれていく。
あ‥そうか‥
この温もりに安心したのは
こいつだけじゃなくて
俺もおんなじやったんや‥