妖精のようにかろやかに〜画家・イラストレーター 原島琉理子〜  -16ページ目

妖精のようにかろやかに〜画家・イラストレーター 原島琉理子〜 

妖精や天使、龍やユニコーンたちの世界を描く画家・イラストレーターです。
この地球上で会う約束をしていた、かつて妖精だったあなたとつながりたい!

柴崎るり子 Fairy Calendar 2021
5月「風のうた」

風がうたって教えてくれた
遠い昔のお話…

私の生まれ育った群馬県はからっ風で有名。
1年通じて風の強い日が多いけれど、
特に春先の風はすごい。

毎年毎年、春の強風に向かって全力で自転車こいでたり、帽子やストールが飛ばされないように抑えながら身をかがめて歩いたりしてた。
夜はゴォーッと吹き荒れる風の音の中で眠りについた。

バサバサと木々が揺れ、
門がガタガタと音をたてても

不思議と落ち着く。

だからなのか風の音を聴いていると
子守唄の中にいるみたいな気持ちになります。

風の音はいろんな思い出を含んでいて、
身を任せていると
それらがぽろぽろとこぼれて来ます。

この妖精さんは、妖精の絵を描くようになって、わりと最初の頃に現れてくれた子です。

その頃私は都内に住んでいました。
風の強い日、家の近くの細い坂道を風に押されて小走りに降りていました。
転ばないように注意しながら。

懐かしいな。こういう感じ。
子どもの頃を思い出す。
ひゅーっという音からいろんな思い出がこぼれてくる。

ふと、通りがかった家の庭先に目をやると、
この子がひとりで歌っていました。

何を歌っていたのかはわかりませんが、
お花たちが揺れて、花びらが飛んで行く、
それらに合わせて一緒に歌ってる。

そんなふうに見えました。

私は大抵こうです。
家に帰ってから「絵を描こう」と思った時に
「あ、あの子を描きたいな」と思い出す。

それで描いていると、いつのまにか心が通じていて、いろんなことを話してくれる。

この子は
風は歌いながら世界中を旅してるんだよ
そう教えてくれました。

ずーっと前からだよ。大昔から。
世界中旅して、そこであったことを歌って、
風どうしで出会ったり別れたりしながら
たくさんの歌をうたってるんだよ

わたしたちは風と一緒に歌っているから
この地球であったいろんなことを知ってるの

知りたいことがあったらね、
風に聞けば教えてくれるよ!

ちょっと自慢げにそう言った彼女がすごくかわいくて大好きになった。

今はまた新種のコロナで行動の制限も出てきているけれど、
心は風に乗って軽やかに、すぐにどこでも行けちゃう。

そんな感覚の5月。
風と妖精たちのネットワークが空に見える気がします。