そういうわけでほろ苦な日々を過ごしている、ひろむです。
地元で開催されている『ほろにがウォーク』というカフェ&パン屋巡りのスタンプラリーをアンバサダーとして絶賛応援中なのです!
そうは言ってもアンバサダーってなんなのか、よくわからないんですけどw

アンバサダーって、よく見かけるから名乗ってみたかっただけなんですけど。
調べてみたところ観光大使とか、そんな感じのことらしい。
基本的に自分で名乗るものではないらしい。
勝手に自称していたのですが、公認をいただけたので、ちゃんとアンバサダーになりました。

さて最近『デ・キリコ展』に足を運んだんですよ。
やっぱりいいね!ジョルジ・デ・キリコ!
なんだかよくわからないし、不安をかき立てられる感じがたまらない。

昔から書いていますが、僕が嫌いだった学校行事はマラソン大会と写生大会。
長距離走は苦手だし、絵は描けない。
コンピューターの支援無しでは、直線1本まともに描けません。
それで見る専門です。
だいたい写生大会で評価されるのが嫌でしたね。
どうやっても下手なんだもん。

僕が美術好きになったキッカケは、小学6年生の時に『MoMA展』に行ったこと。
それまで美術なんて1ミリも興味なかったんですけどね。
なにしろ絵が描けないので。
興味も関心もなかった。
その時、なぜ『MoMA展』に興味を持ったかといえば、展覧会の広報キャラクターがガチャピンとムックだったからw
だいたいMoMAってなんぞ?の世界だったし。
ちなみにMoMAというのは“ニューヨーク近代美術館”の略称です。
どういう経緯か忘れたけど、家族で行ったんですよね。
そこで見たピエト・モンドリアンの『コンポジション』という絵に衝撃を受けたのです。

その時の目玉はゴッホだったんですけどね。
ゴッホには、なんの興味も抱かず。
ピカソとか、モディリアーニもそっちのけで『コンポジション』に、大変衝撃を受けました。
だって赤と青と黄色を黒い直線が区切っているだけ。
「これで良いの?」と。
今のミニ四駆にも通ずることですが、工作自体は好きだったんですよ。
ただ図工の教科書に載っている“伸びやかな子供の絵”みたいなのが好きじゃなくて。
風景画も写生大会を思わせるから好きじゃない。

そこにシンプルの極地とも言える『コンポジション』の潔さといったら。
小学生なら評価されないどころか、怒られますよ。
でも、そんな絵が展覧会に出展されているということが衝撃で。
そこで美術に興味を持ちました。
しかし中学に入ってからも参考書に出てるのは、肖像画か風景画。
「なんで『コンポジション』が載ってないんだよ!」と憤っていました。
あとから気づいたことですが『コンポジション』は20世紀に入ってからの作品で、参考書に出てるのはせいぜい19世紀末まで。
そりゃあ、出ているわけがありません。

20世紀も出ていたのかもしれないけど、ピカソとかマティスと岡本太郎程度のものだったと思います。
そんなにじっくり眺めたわけではないから、よく覚えていないんですけどw
ちゃんと美術展に行くようになったのは、20代になってから。
上京して東京に行きやすくなったというのも大きいです。
当時は上手じゃない絵イコール、ピカソだったのでピカソの展覧会は、よく行きました。
今は「ピカソ来るんだ、じゃあ行くか」程度ですけど。
1周回っての感はある気がするけど、むしろピカソは誰もが想像するシュールなキュビスム時代より、それより前の“青の時代”の方が好き。
上手い絵ど真ん中!みたいな感じだけど、沈鬱な感じが、なんとも言えず。
続く“薔薇色の時代”より、“青の時代”が良い!

加えていうと、大抵の日本人が好きだと信じて疑わない(ひろむ調べ)モネとゴッホは重要度が低い。
自慢じゃないけど、僕は一度もゴッホの展覧会に行ったことがありません。
『ひまわり』も2バージョンくらい見たことあるけど、「ほぉ」程度の感想です。
まるで良さがわからない。
たぶん荒々しい感じが好きになれない。
モネもなー、『睡蓮』がすごいのはわかるんだけど、全体的に印象派も、ポスト印象派も好きじゃないんですよ。
わりと好きなのはドガくらいのものです。

僕の好きな画家はムンクとモディリアーニ、デ・キリコにハンマスホイです。
統一感がまるでないw
わけてもハンマスホイは好きですね!
誰もいない部屋を主題にした絵が多い人だけど、静かな感じがとても良い。
なんならパソコンの脇のすぐ目に付くところに、ポストカードを飾ってあるくらい好きです。
初めて大きな展覧会で来たときは「誰?」って感じで興味がなかったんだけど、ある時実物を見たら、とても引きつけられたんですよ。
絵に対して使うのは、おかしな表現ですけど、水を打ったような静謐さに心を打たれました。

みんなのトラウマソング『メトロポリタン美術館』の最後の歌詞“大好きな絵の中に閉じ込められた”になっても良いと思える絵です。
誰もいない部屋に誰かいるだけで、完全に余計なんですけどねw
ハンマスホイの絵の中なら、閉じ込められても構わないな。

絵の中に閉じ込められそうでいうとムンクの『不安』という絵は、連れ去られそうで強いインパクトを受けました。
ハンマスホイは閉じ込められても良いという主体的な感情だけど、ムンクは否応なく連れ去られて閉じ込められる感じ。
絵の中に入ってしまいそうと思ったのは、その2回だけだけど、ムンクは思い出すだに怖かった印象が強いです。
ちなみにムンクの作品では、有名な『叫び』も好きだけど、『吸血鬼』という作品が好きです。
これも目に付くところに置いてるけど、まぁ評判が悪いw
若い時に一人暮らししていた頃から家に置いてるんですけど、たいていの感想は「怖い」「不気味」。
いやー、好きなんだけどなぁ。

ムンクの好きなところは、感情が色使いに反映されるところ。
描き方はさほど変わらないけど、落ちてるときは混沌とした色使いだけど、明るいときはわりとポップというか。
温もりさえ感じられるところです。

モディリアーニは子供の頃から家に飾ってあって「変な絵だなー」と思っていたんですよw
全体的に細長いし、なにより首が長い!
20代後半まで「良さがわからん!」と思っていたんですけどね。
ある時、展覧会で観た子供が産まれた時の絵というのに、とても感銘を受けて。
絵の全体から「いま幸せです」というのが滲み出ていて。
滲み出るどころか、絵が幸せオーラを放っている!
こんなにダイレクトに自分の感情が反映される人なんだ!と思ってから、とても好きになりました。
画家版太宰治みたいな人間性も良いなと思って。
ダイレクトに感情が作品に反映される人が好きなのかもしれません。

冒頭のデ・キリコは一言で言うと、シュールだから好き。
上手い絵とか、そういう範疇じゃないですからね。
僕のひねくれた人間性が、そのまま反映されているのかもしれません。
子供のうちからデ・キリコに範をとった美術教育なんてしたら、全員ひねくれた人間になりそうw
そりゃあ、小中学生の教科書には載せないだろって思います。

彫刻に関しては、あんまり興味がなくて。
そもそもそんなに見てないから、あんまり良し悪しがわからない。
写真に関しても見方がよくわからなかったけど、最近友達の影響で見る機会が増えてきたので、多少わかってきた気がしています。
良し悪しがわかるレベルではないけど、撮る人の人柄が出るというか、興味関心が反映されるのは絵と一緒だなと。
絵に比べてストレートに対象が映るから、いまひとつ理解しづらかった面があるんですよね。
自分でも撮る機会が多いから、なおさらかもしれないけど。

彫刻に興味がないと書きましたが、ふと本棚の図録を眺めていたら、唯一仏像だけは好きなことに気づきました。
宗教上の理由でもなんでもなくて、仏像好き。
無信教なのでバックグラウンドについては詳しく知らないけど、文字が読めない人にも強く印象に残そうというのは伝わってくるから、ある種のエンターテインメントだと思っています。
すごいのよ、仏像。
あ、でもギリシャ彫刻も好きだなw

前回、大ボリュームになってしまったから、今回はサラッとした記事にするつもりが、結局長編になってしまった。
テンションが上がって筆が乗ってしまったんです。
なんならちょっと掘り下げが足りないなとさえ思っているw
サラッとした記事は、また別の機会に!