こんばんは、ヘチマです。

なんかいつも言ってますが、
ここのところいいBL本に出会わず、
某野球漫画で心いやす日々が続いておりました。
やっぱり1週間に1冊くらいは、素敵BLに出会いたいもんですね。
じゃないと、1週間頑張れない!活力の補給源ですから。

そんなわけで、最近は非BL本ばかり読んでましたが、
ちょっとエネルギー切れしてきたので、
買ったはいいけど読んでなかったこの本をやっと読みました。

『ハピネス』崎谷はるひ 幻冬舎ルチル文庫 2008年




出たのか!と見つけた時は驚きました。
この作品は2001年にリーフ出版から出たものの新装版。
リーフ時代のこの作品はかなり好きで、崎谷作品の中でも、
ベスト5に入るくらい(ヘチマ比)。
だから書き直しされているっていう情報をキャッチして、
う~んかなり変わってたらいやだなぁ…っていう思いと
でも収録されてる未発表短編が読みたいっていう葛藤があって、
とりあえず買って積んでおいた。

いや、読んで満足ですよ。
危惧していた書き直しもそれほどじゃなかったし。

せっかくなので、ここでリーフ時代と新装版それぞれの
あらすじをのっけてみます。

<リーフ>
流水が先輩の忘れ形見、裕太の後見人となって早7年。
それ以来自分のことはさておき、裕太のことを最優先に、
流水自身はいい関係で暮らしていると思っていたのだが…。
そんな矢先、裕太は「家族だなんて思ったことない」という言葉と、
強引な口づけを残して出ていってしまう。
突然すぎる出来事にショックを受け、裕太が残していった
口づけの意味もわからず憔悴する流水――。
裕太にしても、戻るきっかけが見つけられず、お互いの気持が見えない
まま離れてしまう2人は……!?

<ルチル>
流水純司が二十二歳のとき、友人の忘れ形見・日置裕太を引き取ってから
七年が過ぎ、裕太も高校三年生に。流水が若くして課長になれたのも、
裕太を育てるため頑張って働いた結果だ。健やかに成長した裕太は
流水唯一の自慢。しかし、次第に流水と距離を置きはじめた裕太が、
家を出ようとしていると知り、流水は……!?

う~ん、あらすじはリーフのほうが購買意欲を誘う気がしますね。
内容的にはどっちも正解なんだけど、
出版社によってこんなに違うもんなんやとちょっと面白かった。

三十路手間ながら美人の流水と、たくましく男らしく成長した裕太との
家庭内恋愛です。まぶしいほどに素直に元気にいい男に育った裕太が、
流水への愛情を隠しきれなくなり、家を出ちゃうんだけど、
流水は裕太がいなくなったことで憔悴していき、
すったもんだがあって、結局裕太が戻ってきてから、
はっきり自分の気持ちに気付くというお話。
ある意味、「光源氏」の現代逆版みたいな。
流水が手塩にかけて育てた裕太に、
下剋上(?)されちゃうところにきゅんきゅんきます。

初エロシーンは萌えますよ~。
ベストセリフはエロ突入寸前シーンより。


裕太「俺、もう流水さんの子どもじゃいられないよ」

流水「どうしたらいい。どれくらいしたら、俺だけの、裕太になるの」

裕太の高ぶる欲情と、流水のくるおしい思いが感じられます。
この後はめくるめく、ねっとりエロシーンがお楽しみいただけます。
次の日に裕太が流水を「純司さん」と下の名前呼びしていたのが、
個人的にはめちゃツボです!あまいのぅ。


全体としては、リーフの時よりも完成度が上がってる気がしました。
じっとり、ねっとり、切ないのは変わってないけど、
リーフではさらりとしていた部分が深くなっていたり、
エロシーンが分厚くなっていたり。
ちゃんとストーリー展開とか設定とかもそのままだし、
ものすっごく変わったってわけじゃないからよかった。
足りなかった部分がつけ足されたっていう感じかな。
前に違う作家の新装版読んだときに、
結末が変わってて、驚いたことがあった。そういうのはいかんよね。
これは1作品として、とてもよくなったと思う。
崎谷作品の中でも、やっぱりこれは好きです。

しっかし、崎谷はるひは結構初期から読んでるけど、
作品がどんどん幅広くなっていってる気がする。
切ない系からワイルド系、あまあまキュート系まで。
すごいな…。エロエロシーンもどんどん濃くなる。
ボディートークっていう言葉がぴったりくるくらい、
からだでの会話がじっくり繰り広げられる。
それはそれでよろしいのですよ。

でも一番好きなのは「1%の関係」ですな。
2001年の「小説シャレード」に掲載されていた読み切り作品で、
高校生×先生という王道中の王道だけども、
切なくって、ときめいて…。エロは少なめだけど、
一気に心をわしづかみにされました。
これを読んだ時、文章に水気というものをすごく感じた。
ものすごく雰囲気のある作品。いまだにシャレード持ってます。
それが待てど暮らせどいっこうに本にならない。なんでだ。
宝のもちぐされです。

お目が高いルチル文庫さん、ぜひとも単行本化をお願いします…。