こんばんは、ヘチマです。
アマゾンからの荷物が届かず、もんもんとしている今日このごろ。
こういう時の10日って、長いですね。
こんな時は楽しくって、ハッピーな本が読みたいものでして、
またもや引っ張り出してきました。


『嫌いにならないでね』水森しずく 桜桃書房 1998年


またしても古くてすみません。

なんだか1998年は個人的にアタリ年だったようで。
この小説、残念ながら書店ではまったくもう見かけませんが(出版社が吸収された?)、古本屋には結構あるようです。


ちなみに、7月10日りったん書評の
ドS俺様×不細工可憐な「アイツの大本命」に萌えた方なら、
これど真ん中ではなくても、外角高めくらいのアタリではないかと思われます。
なんといっても、隠れ俺様が登場しますから!


長くて申し訳ないのですが、「大丈夫」という方は↓へどうぞ。


三白眼で目つきが悪く、『不敵悪人笑い』を持つ高校2年の

久我美想平(くがみ・そうへい)は、短気ですぐに喧嘩をふっかけちゃう性格。
新学期早々、渡り廊下で言い争いになっているところを、
同じクラスで弓道部部長兼体育部総長の槇圭介が仲裁に入る。
さわやかで人当たりがよくて、あったかい善人の笑顔を持つ槇みたいになりたいなと、想平は槇に対して憧れの気持ちを抱いていた。
しかし、槇の前では意識してしまい、いつもうつむいてしまう。


放送部で金曜日にパーソナリティを務め、悩み相談を行っている想平は、
半年間ずっと恋の悩みを綴ってくるブルーの便せんが気になっていた。


『すごく好きです。本当に大切に思ってる。~ぼくと話す時はうつむいて二、三言
答えるだけなのに、他の人間だと笑うし怒るし普通にしてる。~相手の気持ちを知りたい。どうしたらいいですか?』


という悩みには、


「とにかく弱気じゃダメだ!ちゃんと好きってことをアピールしたか?
好きって意思表示は大事だよ」


と想平。


ある日また言い争いになっているところを槇に止められる。
自分のことを「短気で子供っぽくて嫌になる」という想平に、
槇は究極の善人笑いで
「俺は正直で素直な久我美が好きだよ。~俺とも…もう少し打ち解けて、
他のやつと同じくらい話してくれたらもっと好きになると思うけど」。


槇の言葉に浮かれる想平だが、槇には好きな子がいるという情報を聞き、大ショック。


そんな時にブルーの便せんが。
「相手に好意を示し、悪い手応えじゃなかったんだよね?
なら、後に待つのは告白だけだ」
とアドバイスするも、失恋のショックから立ち直れない想平。


そろそろお気づきですよね、ブルーの便せんの素性。
古典的ですが、大スキーですこういうの。


放送室にいる想平のもとを訪れ、「悩みをきいてくれる?」という槇。
想平は「投書すれば放送でアドバイスするよ」。
「そのアドバイスに従って、ここにいるんだけど」と槇は

ブルーの便せん!を差し出し、ついに告白。


「好きなんだ、久我美っ…」とあふれ出る思いを伝え、想平を抱き締める槇。


想平は驚きながらも、つたない言葉で自分の気持ちを告げる。


「すき…好きな子がいるって聞いたから。だから諦めようと思ったんだ…。
いっ、いっぱい泣いたんだ。そんな女なんかっ、どっか行っちまえって、
すご…意地悪なことも考え」


と、ここでこらえられなくなった槇が想平の唇をふさぐのです。


ぎゃ~。素敵!槇!想平、かわいすぎる!
久方ぶりにはがゆくて、甘酸っぱい気持ちがわき上がってきました。


ここまでが1話で、まだまだ槇は猫かぶってます。
2話目に、ついに!槇のどす黒い本性があらわになります。


ラブラブになった2人だが、冬期駅伝ランナー選びに忙しい槇とあまり一緒にいられず、口では「気にしなくていい」といいながらも、いらいらしてものに当たり散らす想平。
そんな時駅伝アンカーを務める剣道部主将の沖田と仲良くなり、
駅伝の激励をしにいく約束をさせられてしまう。
それに嫉妬して怒り心頭の槇だったが、
結局駅伝の後に一緒に帰ってえっちすることになり仲直り。


駅伝当日、沖田の激励に訪れた想平は、
沖田率いる剣道部員になんと監禁されてしまう。
実は沖田は槇の失脚を狙っていたのだ。
想平を人質に、槇にアンカーをさせて最下位になることを強要し、
責任を取って体育部総長を辞任しろという沖田。


駅伝レースの途中経過で、逆に槇が1位になったことを知る想平。
「おれのことなんか、どうでもいいんだ」と思考回路がストップした
想平は、暴れまくる。怒った沖田に押し倒されたところに、槇様登場!


ここの槇が、恐ろしくかっこいい。槇のターンがはじまります。


笑顔で「久我美、沖田に何された?」と想平に話しかけながら、
殴りかかってくる剣道部員一人目を右手の一撃で、

二人目を膝蹴りでダウンさせ、
「あれ?シャツが破れてるようだけど…」と
三人目と四人目はみぞおちにこぶし、
「まさか沖田にやられたんじゃないよね?」と
五人目はアッパーカット。六人目はリバーブロウ。
「どうしたの?泣いてるの?」と七人目の顔面に血しぶきが飛び、
「ごめんね、怖い目に遭わせて」と八人目以降は…
逃げた――が、悲鳴!
「俺の手下(=体育部の部長達)につかまったようだね」


この間、想平から一時も目を離すことなく、ですよ。
ぞうっとします。
怒りを殺した能面のような笑顔ってほんと怖いけど、
まさに槇がその状態。しかも権力主義者で二重人格。
怖いものみたさでページをめくる手がとまりません。


もちろん、槇の怒りにふれた沖田と剣道部員は、はんぱないお仕置きが。
弓道の射場につれていかれ、一人ずつ的の前に立たされる。
そして、的に向かって槇が矢を放つ!


残虐な笑みを浮かべて
「人間が的というのは、緊張感がまた格別だな」


き~や~鬼畜、っていうか、鬼!ほんと怖いんです。
でもそんな裏の顔にときめく自分もいるわけで。
これこそギャップ萌えでしょうか。
もっとやっちまえ~なんて。


でも、そんな槇も想平の前ではかたなし。
ことの一部始終を想平に目撃され、嫌われたかも…とおびえる槇がかわいい!
さっきの俺様ぶりはどこいったんだってくらい、ビクビク。
想平はびっくりしながらも、「おれだって猫かぶってたし」と
槇のことを受け入れ、2人は射場で初えっち。
そのシーンは甘く、熱く、激しく。
その後の二人はさらにラブラブとなりました。


さらにもう1本収録されていて、それは想平の弟・朋也が出てきます。
想平に恋愛感情をもっていて、
これまで近づいてくる奴から陰ながら想平を守ってきたんやけど、
槇様が恋人になったからね~。負けちゃうんだよね~。
槇は初めから朋也の本性を見抜いていて、
見せつけるように想平といちゃいちゃしたりして宣戦布告するし。
想平、おおモテです!


もう読んでて楽しいし、読後もハッピー。


楽しいBL小説をこよなく愛す方、ぜひお試しください。