こんばんは、ヘチマです。久々にいいBL小説読んだので、ご報告を。


『ホテル・ラヴィアンローズ』高遠琉加 

アスキーメディアワークスBP文庫 2008


この作品、ずいぶん昔に小説b-boyで掲載されて、

その当時もすごいと思っててん。

最近本屋で見つけて、すぐにわかった。

ずっと記憶に残っていた作品。


収録は3作。すべて舞台は、

街中に建つ瀟洒なプチホテル「ホテル・ラヴィアンローズ」。

駅からも遠く、まわりにはなにもない場所に建ち、

唯一特徴と呼べるのは、部屋ごとに違う色の装飾が施されている点。

「赤」「青」「オレンジ」「若草色」の部屋…。


簡潔に言いますと、

1作目は高校生同士の話。

とある事情で家を飛び出した2人が、転々としながら、最後に

さびれたホテル・ラヴィアンローズの「青」の部屋で気持ちを伝えあう。


2作目は時間が遡って、

フロントマンと毎週金曜日に「赤」の部屋に泊まる青年の話。

幽霊が出るという「赤」の部屋で、

自殺未遂を起こした青年をフロントマンが助けて…。


3作目は、さらに遡って、戦後。

急成長した建設会社の跡取り息子と元華族の話で、

元華族の屋敷がホテル・ラヴィアンローズとなるまで。


それぞれの話は、流れ的にちょっとデジャブ感はあったけど、

なんといっても構成力がすごい。時系列を遡るスタイルのほかに、

ホテルを中心にさまざまな愛の形が描かれ、過去と未来をリンクさせる

計算しつくされた、ストーリー性と展開。

それが、話を高尚にしている感じがした。

どことなく荻原浩の「千年樹」を彷彿とさせる。


こういうの好きやねん。こういう話をかける小説家は尊敬する。

いい話読んだ~っていう満足感をくれる、ほんとに読み応えのある小説やった。

全体的に切ない系。最後はどれもハッピーエンドやけど。

ただし、萌えるってわけではない。雨の日にしっとりと読みたい小説です。


今日はちょっとまじめモードなヘチマでした。