こんばんは、ヘチマです。
今回から著者名もタイトルに入れました。わかりやすいかなと。
『スローリズム』杉原理生 幻冬舎ルチル文庫 2008年
矢萩×水森
雑誌掲載時から単行本化をずっと待ってた作品。
今日ぶらりと立ち寄った本屋で見つけて、もう大興奮!
この作家は、ほんっとにおすすめなんです。
ヘチマが作家名買いするうちの一人。
サラリーマンの水森と矢萩は学生時代からの友人同士。
週2回必ず電話をしているが、2人の関係は友人という域を出ない。
でも、矢萩の言葉の中にひそかに感じられる水森への思い。
その気持ちに水森は気付きながらも、気付かないふりをしていた。
しかし友人の結婚話をきっかけに、その微妙な関係が動き出す…というお話。
物語は水森視点だけど、矢萩の言動に注目すべし。
水森のことが好きで好きで、大切で、だから決定的なことは何も言えない。
水森の気持ちを考えすぎて、何もできない。
そんなへたれぎみな矢萩がいとしい。
告白も水森から。
「いいよ。おまえが口説かないなら、俺がおまえを口説くよ。
―おまえが好きだ」(水森)
よく言った、水森!やっぱ男は言う時は言わなきゃ!
じりじりと進まないまどろっこしい恋愛だけど、
最後は静かに心を満たしてくれます。
杉原理生はもう筆を折ろうとしていたらしいけど、
ほんとに続けてくれてよかった。
そしてこの秀作を世に出してくれたルチルに感謝。
『いとしさを追いかける』も待望の文庫化だったけど、
まだまだ他にもいっぱいありますぜ。
次は「夏服」を文庫化希望!