鳥子です!



『さくらにあいたら』 古街キッカ、大洋図書、2007年


エロシーンがわずかに一コマ、しかも妄想、キスも一度だけ、という最近はやりの精神系BL。

ずっと一人を思い続ける男子高校生の、切ない話である。


主人公の神原は、友人の松永を思い続けている。

松永はよくあるタイプの、女関係の激しい家庭内トラウマ持ちだ。

ふらふらと女を渡り歩く松永を、神原は友人としては見れない……。という話。


たぶん、神原×松原なのだが、攻であろうと思われる神原が、男らしい乙女で高感度が高い。

松永のどこが好きと聞かれ、「……顔も体もいいね」と答えるところが、いい。

申し訳ないけど、神原、アンタは受だ。笑


正直、受にも攻にもトラウマがあるのはくどすぎるんじゃないかと思ったけれど、そして絡んでくる女子エピソードは必要なのかとも思ったけれど、最後に松永がちゃんと神原を選んでくれたので、真面目に書評をするつもりが、どうでもよくなって、よかったねええ神原ー!と手を叩いて喜んでしまった。


古街キッカは、話が淡々としている割に、ものすごくファンサービスがうまいと思う。

読者が、どんなセリフで、どんなシチュエーションで喜ぶかを、ちゃんと知っている作家さんだ。


「もういいから、お前は俺のことだけ見てなさい」

「・・・はい」


これがベストセリフ。

ちなみに、上が松永(受)で下が神原(攻)。

これで誰が萌えずにいられようか。


おまけ的にでっかい帯が付いていて、それを外すと本表紙が出てくる。

それがまたいい甘さで、私は久し振りに心地いいBLを読んだものだと、すがすがしい気分になったのだ。