夏の水辺に生息する絶滅危惧種 | Let'sふ~ふ~!

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風船、浮き輪やビーチボールなど(いわゆる空ビもの)を口で吹いて膨らますことが好きな人々のためのブログ

 一昔、海水浴場やプールなどで子供たちの格好といえば、
  • スクール水着
  • あごひも付水泳帽子
  • 無地浮き輪
が、ごく普通だった。水着は、男子はビキニパンツ、女子はスカート付ワンピース、どちらも色は濃紺(花紺)で、ゼッケンや校章をつけている子も多かった。

 最近は、名札を縫い付けかアイロン接着もたまに見かける。個人情報保護という観点からか、名札がマジックテープか何かで着脱式もあるようだ。

 帽子はいまどきのメッシュと違い、男子はカラー体操帽子のつばたれなし、女子はフードのような感じで、男女ともあごひも付き。

 私が子供の頃は、体操服やスクール水着のゼッケンの枠の色で学年、体操帽子や水泳帽子の色で組がわかるようになっていたような気がする。

 で、浮き輪は、キャラクターものもあったけれど、無地ならばイルカのマークSANYO、吹き口のまわりに白いワッペンがほとんどだった。これと似た無地浮き輪には、亀NマークのNAKAJIMAなどもあった。

Sanyo80cmRedSanyo80cmBlueSanyo80cmYellow

 赤は女の子、青が男の子、黄色は男女兼用という感じだ。この3色の他に、緑などのカラバリもあったようだ。当時はほとんどがMade in Japanで、たまにMade in Taiwanもあったような気がする。これらのアイテムを収納するバッグもまた絶滅危惧種だろう。ゴーグルをつけている子は少なかった。目を洗う子は多かったようだが。

 2013年夏、屋外ラストぷかぷかのときには、偶然に偶然が重なってか?ある意味水辺の絶滅危惧種に遭遇した。♂♀各1個体、人間でいうなれば小6女児と小3男児。

 当日は夏休み最後の週末ということで、現場であるプールが激混みとなり、大型浮き輪の持ち込み制限がかかった。公営プールだけあって、これは想定の範囲内といえる。入場前にふ~ふ~した130cm浮き輪の空気を抜いてロッカーにしまい、例によって日陰の休憩スペースで、スペアとして持って来たサイズ制限ギリギリセーフである100cmの浮き輪をふ~ふ~。120~130cm浮き輪を吹き慣れたためか、楽勝という感じであった。

 とそこへ、絶滅危惧種な格好の姉弟がやって来たのだ。お姉ちゃんは濃紺(花紺)色の旧タイプワンピーススクール水着にピンクのフード型帽子、弟はお姉ちゃんの水着と同じ色のビキニパンツに緑の帽子。ふたりして"Simple is the best!"が、水着を着て帽子をかぶっているという感じであった。いかにもスクール水着収納バッグな、ふたりのスイムバッグもまた、多分絶滅危惧種だろう。

 ふたりは、それぞれのバッグから、絶滅したはずの浮き輪を取り出した。お姉ちゃんのはイルカマークSANYOの80cm赤、弟のは同じく70cm黄色だ。

 仲良くふ~ふ~し始めたのは良いが、途中で弟が息切れ。
 「お姉ちゃん、ぼくのもふくらまして!」
 「・・・」
 お姉ちゃんは、弟の浮き輪も吹いてみたけれど、思うように大きくふくらまず、ほぼペシャンコ状態で仲良くギブアップ。弟は、電動ポンプで空気を入れようとしたけれど、お姉ちゃんに止められた。
 「パーン!ってなってもいいの?」
 「・・・・」

 見かねた私が、このなかよし姉弟に、吹き方を教えてみたけれど、その効果はイマイチだった。PAT528700標準装備にしては変だな、と思ったが、原因はこの直後にわかった。

 「ふくらまない?それじゃ、ふくらましてあげる。」
 (私の100cm浮き輪を指差しというかぷにぷにっと押しながら)
 「この浮き輪みたいに、口でふ~っ!ってふくらましてね。」

 80cmの赤い浮き輪には補助気室が付いているが、お姉ちゃんはそれが何かよくわかっていなかったようだ。最初にその補助気室をふ~ふ~。

 続いて本体をふくらませようとしたときのこと。お姉ちゃんが、吹き口の根もとを強くつまみ過ぎたので空気が通らず、ふくらまなかったことに気付いた。逆止弁はほぼ半開きで、空気が抜けていく。

 私の初浮き輪、初ふ~ふ~は、確か幼稚園年中組に編入した年の夏だった。浮き輪の吹き口に逆止弁が付いていることは本能的に知っていた。吹き口の根もとをつままずに吹いても楽にふくらみ、唇を離しても空気は漏れにくく、空気を抜くときには根もとをつまむという魔法の空気栓、あれがPAT528700だったのだろう。ちなみに当時のビーチボールには、逆止弁はなかった。このため、ふ~ふ~した後、唇を離す前に根もとをつまんで空気漏れを防いでいた。

 初ふ~ふ~を思い出し、吹き口をしっかりと口にくわえて、根もとをつままずに
 「ふうぅぅ~~~っ!」
 お姉ちゃんの赤い浮き輪はすぐに大きくふくらんだ。
 「もっともっとふくらまして!パンパンに!」
 「『パーン!』しちゃうかもしれないよ。」
 「ふうぅ~~~っ!」
 「これくらい?」
 (さらに2~3回ふ~ふ~)
 ふくらますときの音が変わり、ちょっと抵抗を感じてきた。そろそろパンパンになるかなというとき、お姉ちゃんは浮き輪をぷにぷにっと押して、
 「次が最後の『ふ~!』いっぱいふくらましてね。」
 気合を入れて超ロングブレスでふくらますと、半開きだった逆止弁が閉じてきた。キスをするときのように、ちゅっ!と軽く吸ってから栓をした。
 弟の黄色い浮き輪も、お姉ちゃんのと同じようにふ~ふ~、もうパンパンになるかなというときにお姉ちゃんがぷにぷにっと押して空気圧をしっかりチェック。その弟は、本当は青い浮き輪が欲しかったのだとか。

 どちらの浮き輪にも、裏側には、名前の他に、幼稚園や学校の名前、学年、組がびっしり書かれていた。浮き輪もこのふたりと一緒に入園、進級、卒園、入学、そして進級してきたのだという感じだった。

 「ありがとうございます! (浮き輪をぷにぷにと押しながら)うわぁ、すごい! こんなにかっちかち!」

 2個の浮き輪を大きく、かたくふくらましてあげると大喜びの様子。お姉ちゃんに、電動ポンプを使ったことがあるかどうかを聞いてみたところ、ちょっと前までは使っていたけれど、大切にしていたお気に入りの浮き輪に空気を入れ過ぎてパンクさせ、大泣きてしまってからは使っていないとのこと。弟が電動ポンプを使おうとした(というか列に並ぼうとした)ときに止めた理由はこれだったのか、と納得。

 ふくらました浮き輪を手に、一緒に流水プールへ。弟は、水の吹き出し口付近から水流に乗ってはるか彼方へ。とそのとき、電動ポンプのある方からボーン!という音。目の前には赤い浮き輪があり、少しばかり凹んでいた。お姉ちゃんはどこに行ったのかな?一瞬びっくりしたが、空気栓のすっぽ抜けだとわかり安心した。その場で、空気が抜けた分だけふ~ふ~してあげると、お姉ちゃんは私の浮き輪に入り、突然抱きついてきた。彼女の浮き輪を持って、自分の浮き輪の中で密着状態。

 またしても、女の子の浮き輪をふくらましてあげて、彼女に抱きつかれて浮き輪の中で密着状態のままプールで漂流という経験をした。願わくば、もっと大きな女の子と、浮き輪ふくらまし&もっと密着したいところ。