3日目はとにかく出かけようと思いました。

ブルネイは小さな国で鉄道がありません。移動はタクシーか路線バスに限られます。タクシーはUberで呼ぶシステムなので私はバスメインで動き回ろうと思いました。

そこで、ホテルのフロントで「Where is the bus stop?」と聞いたところ「outside」と一言だけ返って来ました。そんなもんなんですね、日本人と違い、または欧米人ともアジア人とも違う、マレー系イスラム教徒です。優しくない。

尋ねるのはあきらめて外に出てみました。バスが走って来てホテルから10メートルほど離れた路上に止まりました。つまり「outside」という答えは間違ってはいないんですね。ホテルのすぐ外だもの。でも日本人がスタッフだったらもっと丁寧に教えてくれます。(このとき、ホテルから出て来た数十人の日本人団体客を見ました。連れ立ってチャーターした大型バスに乗り込んで行きました。皆さんがマスクを着用していました。日本人の私としてはとても恥ずかしく情けない気持ちになりました。)ブルネイの市内バスは、料金は基本1回どこまで乗ってもB$1(約110円~120円程度)の均一運賃です。運行時間は通常6:00〜18:00頃までで、乗車時に運賃を前払いで支払います。 

 

ブルネイは国王(スルタン)が絶対的な権限を持つ「絶対君主制」に近い立憲君主制国家です。石油・天然ガス収入を背景に、教育・医療費無料、所得税なしなど、手厚い社会福祉が国民に提供される安定した国家です。だからなのでしょう。唯一の公共の乗り物であるバスの料金がとても安いのです。

 

社会主義的な経済政策(分配重視)の一面を持ちつつも、政治体制は王室主導の保守的な国家運営が行われています。一人当たりの高い国民所得を誇り、働かなくても生活できるほどの高い社会福祉や所得税がなく、生活に関わる多くのサービスが政府から提供されているため、国民の生活水準は非常に高いのが特徴です。

そのように聞けばさぞかし、国民の暮らしは豊かである、と想像してしまいますが世の中そうは行きません。

ブルネイは、社会主義国家のような労働の質と量に依存しない富の分配が行われている一方で、国王が首相、国防相、財務経済相などを兼務し、政治権力を掌握しているため、実際は王室至上主義に基づく「資本主義的な富の蓄積」を王室が独占している構造ですから、やはり庶民の暮らしはそこそこ貧しいのです、というか貧富の差があります。貧富の差は日本以上ではないでしょうか。ブルネイのド庶民からすれば、やはり日本は豊かな国であり、日本人はとてもcomfortable=快適な暮らしをしていると思います。日本人は便利で快適な暮らしに慣れすぎていてそれが恵まれていることを忘れてしまっているかのように見えます。

とはいえブルネイの平均月収は日本円にして35万円ほどですから、日本人とほぼ同等か日本以上と言えるかもしれません。

ブルネイの人々の暮らしが私の目に裕福には映らなかったのは、やはり熱帯という気候のせいなのかとも思ったりしますし、後々の記事で載せますが庶民の住むアパートや店舗等の建物が、まるで日本の昭和時代のようだったからでしょうか。

 

 

 

 

 

 

例えばバスの車内がこれです。

こんなボロなバスは日本では見かけないですね。どこまで乗っても1ドルなのはうれしいことですが、このバスひとつとっても日本人の暮らしがいかに快適かがわかります。しかもこのバス(この1台だけでしたが)ドアを開けたまま走るんです。もちろん全てのバスがこんなにオンボロではありませんでしたが、日本のように大きくてピカピカのバスは走っていませんでした。

もっともブルネイ国民の主な移動手段はマイカーですから、バスは出稼ぎ労働者専用だったのかもしれませんが。

1日目のブルネイ空港着陸時は帰宅ラッシュ時だったとみえ自動車の台数には驚かされました。自動車専用道が車で埋め尽くされていました。

 

 

 

 

 

 

ホテルの前からバンダルスリブガワン中心部までは20分くらいだったでしょうか。バスターミナルにはバスは止まらず、ブルネイ川の畔にある発着所に止まります。

ここでバスを降りると目の前の川に水上タクシー(ボート)がたくさん浮かんでいます。

 

 

 

 

ボートに乗りたそうな顔をしていると船頭さんたちの客引きが始まります。その中の1隻に声を掛け料金交渉をして乗りました。

怖いもの知らずでしょうか。まあでも怖いことはないです。地元の住民たちの足でもあるわけですし。

 

 

 

 

 

この船頭さんが、基本コースを回ってくれました。

どこに行きたいかリクエストをしなくても、観光客が行きたい場所、彼らが見せたい場所は決まっているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルネイの歴史と文化を象徴する世界最大級の水上集落「カンポン・アイール (Kampong Ayer)」を横目にボートは進みます。

 

 

 

 

 

 

あっという間にジャングル地帯に到着です。

 

 

 

 

 

 

 

彼が私に見せたかったのはテング猿でした。

以前にコタキナバルに行った際にもテング猿を見に連れていかれたものですが。

 

 

 

 

 

 

水上住宅街にはなんでもあります。

消防署やモスクもあります。もちろん病院も学校もあります。

 

 

 

 

 

 

 

ボートは桟橋の下の階段のある箇所に着きました。

どうやらガイドさんがいなくても勝手に歩いて見て回っていいらしいので、勝手に見て回りました。

 

 

 

 

川床が泥で汚く見えますが、上下水道は完備されているらしいです。

 

 

 

 

 

 

平均水準のご家庭なのでしょうか、なかなかな佇まいでした。

ブルネイの人々が水上生活を選ぶのは便利だとか土地が安いからとか国土が狭いからとかそういう理由ではなく単に水の上は涼しいからなのだそうです。

そういえば陸の上のアパートに見られたエアコンの室外機をここでは見なかったような気がしました。

 

 

3日目、まだまだ続きます。