前投稿の続き。
1月5日 木曜日
ゲストハウスの管理人さんが
部屋に荷物を置いたまま朝になったら勝手に出かけていいよ
と言ってくれたので、夜も明けきれぬ城下町を歩き
岩村城を目指す。
前日の夜に、コンビニに車で連れて行ってくれた際に
管理人さんがわざわざ遠回りをして
岩村城入り口の目印を教えてくれた。
教えていただいた通り、灯篭の角を左に曲がり
岩村城を目指す。
ほどなく歴史資料館駐車場がある。
ここで大失敗に気づく。
岩村城までは800メートル続く石段を登らなくてはならないのに
飲み物を持って来なかった。
実は歴史資料館の駐車場だったら
自販機ぐらいはあるだろうと踏んでいた。
しかし、そんなものはどこにもない。
城下町まで戻る気力もない。
仕方がない。
たった800メートルだ。
腹をくくって歩くことにした。
石段を半分ほど登ると城跡の石垣が現れる。
木が石垣を突き抜けて生えている。
すごいすごい。
圧巻なのは
六段壁の異名を持つ本丸虎口の石垣。
石垣の上に登る。
転落防止柵といった余計なものは何もない。
淵まで行って見下ろせば足がすくむ。
全て自己責任での見学。
ゲストハウスの管理人さんが教えてくれた欅の切り株。
名古屋城の木造復元の資材として伐採されてしまったんだって。
早朝に登ったので途中の鬱蒼とした森を抜ける際には
熊でも出てきたらどうしよう、と怖かったけれど
なんと、本丸に先客がいた。
やるなあ、と思ったら
本丸のすぐ下に駐車場があった。
なんだ、車で頂上まで登れるんだ。
それでも、石段が見事だからやはり
タクシーなど使わずに歩いて登ってよかった。
駐車場の地面は凍っていたから、たぶん車で来る人は
そんなに多くはないはず。
で、駐車場にも休憩所があったのだけれど
残念なことに自販機は置いていなくて
喉がカラカラのまま山を下りることになった。
誰もいない山中にコンコンと規則的な音が響いていた。
きっと、キツツキの仕業かと思いながら城を後にした。
続きます。





































































