まったく信じられない世の中には続きがある。

 

 

 

真岡鉄道SLに乗って終点の茂木で降りて

 

折り返しの普通電車に乗って益子で降りた。

 

 

 

 

 

 

 

益子は陶器の街。

 

私は6年ほど前に車で1人で行ったことがあって

 

なかなか良い街だと思ったから

 

久しぶりに訪ねてみたいなあ、ってそんな気持ちで

 

なんの下調べもなしに益子駅で降りた。

 

 

 

 

 

 

 

改札口を通るとこんな看板があったらしい。

 

出るときには私は気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅舎が面白い形をしていたから写真を撮っていたら

 

夫が観光案内所に向かって歩いてしまった。

 

 

それが間違いだった。

 

観光案内所の前に検温ステーションがあったのだ。

 

私たちはただ街を散歩するだけだったから

 

なぜ、検温までしなければならないのか

 

バカバカしくて抗議をした。

 

 

すると

 

「やっと開催したので来年できなくなると困るから」

 

と言われてしまった。

 

 

ここで私は気づく。

 

益子では何かイベントをやっている。

 

おそらく益子なので陶器市でもやっているのだろう。

 

検温の必要のないことをいくら言っても解放されないので

 

仕方なく手首を差し出す。

 

 

 

 

 


 

すると

 

リストバンドまでされてしまった。

 

 

 

 

幾ら何でもこれはやり過ぎじゃないのか

 

馬鹿馬鹿しい、と抗議をすると

 

「これがないとお店には入れませんから」

 

と言われてしまった。

 

 

 

 

あまりの馬鹿馬鹿しさに

 

まるで中世の城壁都市にでも入ろうとしている異教徒の

 

気分になる。

 

しかも、私と夫は陶器市に来たのではなく

 

ただの散歩だ。

 

ただの散歩人にですら、リストバンドという通行手形を

 

目印で着けるという人権侵害。

 

 

 

しかし、益子の観光組合では

 

これが人権侵害に当たるとは思ってもいないだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、2人で染物工房を覗いたり町歩きをしたけれど

 

夫は検温とリストバンドの件ですっかり機嫌が悪い。

 

 

しかも

 

街のいたるところ、駐車場などにも検温ステーションがあり

 

検温ステーションの前を通る度に

 

容赦無く消毒液をブシャー、っと振りかけられる。

 

それになんの疑問も持たずに手を差し出す人が多数。

 

 

 

 

まるで異次元の街を歩いているようで

 

すっかり興ざめしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唯一救われたのは

 

キンキンに冷えた陶器のグラスで飲んだノンアルビールが

 

泣きたいほどに美味しかったこと。

 

 

 

 

這々の体で益子駅に戻ったら次の列車はSLなので

 

2日前の予約でなければ空席があっても乗車できないと

 

けんもほろろに言われてしまった。

 

 

 

たぶん

 

真岡鉄道は赤字路線の弱小鉄道会社だから

 

予約システムの端末が

 

各駅に配置されていないのだろうね。

 

タブレット端末でもいけると思うのだけれど

 

それさえ用意できない。

 

 

車社会の弊害だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕方がないので益子駅で

 

1時間と45分も次の列車を待つ羽目になった。

 

 

 

 

 

こんなとき

 

私は駅周辺を適当に歩き回り

 

面白い建物風景をカメラに収めたりするのだけれど

 

夫はそんな趣味はまったくなく

 

カフェでお茶を飲んでいるというので

 

夫を放って外を歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人形ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

カーブミラーはそそるアイテム。

 

 

 

 

 

 

眠くなるくらい電車を待ってやっと来た下館行きに乗る。

 

 

 

 

 

 

北真岡駅で降りて『久保記念文化交流館』に行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無料の絵画展をやっていた。

 

もちろん、夫はこんな展示には興味なし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは『長蓮寺』。

 

まるで天守閣のような建物(「太鼓楼」という)に惹かれた。

 

 

 

 

 

 

 

岡部記念館『金鈴荘』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閉館時間を過ぎていたのに

 

建物の外観だけでも写真を撮らせていただけますか?

 

と戸締りの方に言うと

 

快く庭園の門を開けてくださって

 

おまけに説明までしてくださった。

 

 

 

 

もちろん、私たち夫婦は素顔だったけれど

 

そんなことには頓着しない様子だった。

 

 

 

金鈴荘は木綿問屋さんのお屋敷。

 

長い廊下の天井の梁が何メートルあるって言ったかな。

 

接木なしの一本の木ということが

 

このお屋敷の自慢らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真岡の街は城下町で

 

写真以外にも見所がたくさんあったから

 

益子になんか寄らずに真岡だけをお散歩すればよかったな。

 

 

 

益子は2度と行かない。

 

たとえイベント中であっても

 

散歩をに訪れた旅人をまるで罪人のように扱う

 

そんな街には行きたくない。

 

 

 

 

 

何かあったら来年開催できない、なんてね

 

いったい何が起こるというのだろう?

 

いったい何を恐れているのだろう?

 

この2年半、何も起きていないというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SLを模した真岡駅。

 

散歩時間があまりなくて物足りなかったから

 

また行こう。

 

 

 

とても良い街だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水戸線に乗って湘南新宿ライナーに乗って大宮で降りて

 

夕飯を食べた。

 

2019年までは度々食べに行っていたお店。

 

 

アクリル板のない席のリクエストには応えてくれた。

 

リクエストが通らなかったら食べていない。