デイヴィッドの、weltでのインタビューの続き。
WELT:「クロスオーヴァーにさよならを言おうと思ったことはないの?」
David:「1秒たりとも。もしも、僕が批判者が望むことをしようとするなら
それは間違っている。
つまり僕が何かをするから批判しているわけではなく
僕が何かを体現しているからなんだよ。
僕は年甲斐もなく他の音楽スタイルに転向したわけではないし
これからも決してやめるつもりはない。
それはモチベーションとしても間違ってるし、それに、
誰も僕を愛してくれなくなるのは明らかだよ。」
W:「ニューアルバムでのラムシュタインの曲は決まっていますか?
シンガーのティル・リンデマンは昨年、かつてのあなたのように
虐待疑惑に直面しました。」
(↑💢なんだこいつ。失礼すぎんだろ。アルバムに関係ある?)
D:「"My Heart Burns”はとても素晴らしい。
そしてレパートリーに入れない理由は少しもない。
キャンセルカルチャーは僕の人生にはない。
(👏👏👏 me too!! そうだそうだ。
これらの活動家には本当に頭に来てるわたし。
言葉狩りも日本でやったらやってる輩がおりますな)
彼はいつも信頼できるよ。大きな心を持っていて、いつも
僕の友人、僕の友人たちに対しても紳士だった。
僕の場合もそうだったが、残念ながら嘘のレポートは常にある。
そんな時、僕はこう言うんだ。
”Hey,そんなこともあるよ。スポンジが吸い取ってくれる。
先に進もう”」
↑これって、日本語で言うと”しょうがない”だね。
W:「いい友人として苦しむことはある?」
D:「もちろん。誰だってそうでしょ?」
W:「2020年に既にラムシュタインとジョイントしたよね」
D:「その通り。"Every day is not Sunday”でね。
Tillはクラシック音楽もとても好きなんだ。
会った時そう言われた時は、驚いたよ。
前世紀のオーストリアのオペラ歌手リヒャルト・タウバーの
ファンであることもわかった。
子供の頃、父と一緒に車に乗って長い旅をする時、
僕はいつも”ベルカントの王様”の解釈を聞かなければならなかった。
僕もお気に入りの曲の一つだよ。
ある時、僕は自然的にスタジオに入り、ヴァイオリンのパートを
録音してTillに送った。彼はそれに自分の声を乗せ、僕たちは
それをビデオ付きでリリースした。」
W:「他に共同プロジェクトはあるの?」
D:「今の所はないね。
誰かと一緒にプロジェクトをやりたがるほどの偏った考えもない。
もしやるとしたらワインを飲みながら共感して、偶然生まれる
可能性の方が高い。
音楽産業において最も嫌いな言葉は”一緒に何かやろう”だ。
この仲良しこよしや、なんとかして一緒に何かをやろうという
のは、僕のスタイルではない。
僕はまず、音楽の話をせずにその人を知る必要がある。
その上で遠回しに音楽と出会うことができれば
それはニュートラルな場となる。
そうでなければいつも押し付けがましくなるよ。」
W:「とはいえ、音楽はあなたの人生であり、音楽と共に寝て、
音楽と共に起きるわけですよね」
D:「そうだね。誤解しないで欲しいんだけど、その点では本当に
ジャンキーなんだ。音楽がないと生きている気がしない。
エネルギー、情熱、限りない生きる喜びを与えてくれる。
ヴァイオリンを2日弾かないと、まるで呼吸に必要な空気を
失ったかのように、音楽が恋しくなる。
それが楽器自体のせいなのか、楽器を使って何かをするせい
なのか、あるいは音楽全般のせいなのかわからない。」
(↑まあ、人生そのものなんでしょうね。
日本語的に言うと”生きがい”)
W:「1年に何日ぐらい、ヴァイオリンに影響を受けない日が
ありますか」
D:「片手で数えられるぐらいだね。
そうなるシナリオは2つある。
休暇の時だ、その場合最初の2日間は無理に休息を取る。
その翌日も同じ。でもそんなことは滅多にしない。」
W:「楽器のない休日は考えられないってこと?」
D:「いつもヴァイオリンを持っているんだ。
不思議なことに、いや実は自然なことなんだけど、
休日になると最高のアイディアが浮かんで来るんだ。
あとはそれを書き留めるか理想的には音楽的に試してみるだけだ。」
W:「では、今やっていることは手放すことはできないのですね?
例えヴァイオリンが箱に入ったままでも?」
D:「僕もそれは望まないな。
もしそうなら、僕は死んでるよ。」
(↑質問がくどいっつーの)
W:「追い詰められてると感じますか?」
D:「はい。でもネガティブな意味じゃない。
追い込まれると言うのはどこかに行くため、何かを達成するために
自分を漂わせると言うことでもある。
そうだね、僕は大志の波に乗っている。
もちろん、駆り立てられるような感覚はあり、朝から晩まで
仕事で精神的に落ち着かない感覚も好きだ。
もし誰かが週に30時間や40時間働けば何か特別なことが
達成できると信じさせようとするなら、それは間違いなく嘘を
ついている。週40時間で楽器を上手く弾けるようになることさえ
できない。」
W:「ちょっと聞かせてください。
あなたにはちょっとした癖がありますか?」
D:「(心から笑う)大きな癖があるとさえ言えるよ。
それ以外は控えめな表現しかできない。
僕のように子供時代から何かを叩き込まれた人間は
必然的に癖があるよ。
一方では、それは天才の象徴ではあるが
その一方では、自分にとって最も困難なことでもある。
特に自分自身の限界に関しては。
僕は自分の限界を超えようとし続けるが、それが時として
身体的な問題を引き起こす。
なぜならばいつが十分なのかはわからないからだよ。
創造性の原動力は頭であり、体はその後ろをただ引きずって
いるだけだから。
音楽を作ることに加えて、僕にはもう一つの情熱がある。」
W:「どれですか?」
D:「僕は楽器や音楽の歴史、そしてヴァイオリン製作の芸術形態
はとても魅力的で、毎日、あらゆる情報を吸収するために
読んでいる。
4歳の頃からそうしてきた。
ヴァイオリンの写真を見せられたら誰が、いつ、何年に
作ったか言える。
何百種類ものヴァイオリンの生涯を年代別に語ることができる。
僕はもうマニアの域に達してると思うよ。
それにグァルネリ・デル・ジェスのヴァイオリン愛好家の
ためのクラブも設立したんだよ。」
W:「42歳の誕生日にはイタリアのコレクションから350万ユーロの
ヴァイオリンを自分にプレゼントしましたよね。
すでにいろんな貴重なヴァイオリンを弾いたことがありますが
まだ弾きたいものはありますか?」
D:「まだいくつかあるよ。
だけど、最終的には1742年のグァルネリ・デル・ジェス作
ロード・ウィルトンですね。
ユーディン・メニューインが弾いていた。
まだ、ロシアのどこかにある」
W:「そのためにはいくら払う必要があるんですか?」
D:「僕の見積もりでは2500万か3000万ユーロでしょう。
(ゲッ!!40億円以上じゃん)
僕のいい人脈にも関わらず誰もそのオーナーが誰かは
教えてくれないんだよ。
もしかしたら、1年後、2年後、または10年後に
わかるかもしれない。だから僕の夢はいつか叶うかも
しれない。」
W:「もし10年前を振り返るなら、当時のデイヴィッド・ギャレット
と今のデイヴィッド・ギャレットでは何が違いますか?」
D:「今、君の前に座っているデイヴィッド・ギャレットは
友人の輪を徹底的に小さくしている。
僕が刺激的だと思っていた周囲の人々は、理由はどうあれ
単に僕にとってはいい人たちではなかった。
僕は自分の世間知らずさを捨てて、成長した。
自分の心を開くこと、それが大好きなんだ。
誰も僕のエゴをなだめる必要はない。
僕はまた今日、多くのもの価値のあるものをよりよく評価して
いる。僕の人生で最も暗かった時間は、常に自分の心の中に
存在している。深刻な間違いを犯さないように
思い出させてくれるから。」
W:「あなたは幸せな人ですか?」
D:「はい。まさに。
これからも運が味方してくれることを願っているよ。」
だそうです。