デイヴィッドの自叙伝は読み終わったんだけれど、

面白いと思いつつ、書ききれなかった話があった。

 

デイヴィッドが東京に来た時、↓これやってたよね。

ヴァイオリンを見ただけでメーカー当てる遊び。

 

 

これがなぜできるのかって話が、自叙伝の中であった。

 

もちろん、パパが弦楽器のオークションハウスやっていたから

ってことだけれど、同じ環境にあっても、いやいや誰もが

できる話じゃないでしょってこと。

 

 毎年、1年に2回パパは二つのヴァイオリンオークションを

 開いた。つまりそれは、400もの弦楽器がボンガルツ家に

 届くということだ。

 少年時代を通して、ボンガルツ家はケースに入った

 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが倉庫に積み上がっていた。

 時には入りきらなくてバスルームにまで。

 デイヴィッドにとって、それはまるでスイーツショップに

 いる子供のような気分だった。

 

 パパは、もちろん専門知識が豊富だったので、

 デイヴィッド少年にそれぞれのヴァイオリンの個性を教えて

 くれた。

 外観とそれらがどの工房から来たのかを。

 これはVuillaume(ヴョーム)、これはPressenda(プレッセンダ)、

 これはSanto Serafin(サント・セラフィン)、Klotz(クロッツ)、

 そしてAmati(アマティ)。

 

 デイヴィッド少年は6歳から以降、ヴァイオリンや

 ヴァイオリニストに関連した一冊一冊の本全てを貪り読んだ。

 1960年代と1970年代のサザビーやクリスティーの古い

 オークションカタログを探し、一つ一つ全ての楽器の輪郭を

 記憶した。

 そのFホール、木目、ニスの光沢、そしてネックのトップにある

 スクロール(てっぺんの巻き巻きのところね)のカーブの仕方 

 などだ。

 また、ヴァイオリンメーカーからカタログを取り寄せたりすらした。

 

 これはパパがものすごく残念がったことなのだが

 デイヴィッド少年はそれらのカタログのヴァイオリンの写真を

 ハサミで切ってそれらをラップ中に置いて自分のフォルダに

 分類していた。まるで植物学者の押し花みたいに。

 

 有名なヴァイオリンメーカーはそれぞれのフォルダがあるが、

 デイヴィッド少年の好きなフォルダ、それは素晴らしい宝物で

 最も敬服していたクレモナのヴァイオリンメーカー、

 グァルネリ・デル・ジェスのものだった。

 

 そんなヴァイオリンが趣味とも言えるデイヴィッド少年は

 (*電車とか虫とかにやたら詳しい子供とかもいるよね)

 後に、パパに有名なヴァイオリンディーラー、

 パリのÉtienne Vatelot(エティエンヌ・ヴァテロ)と

 ロンドンのCharles Beare and Peter Biddulph

 (チャールズ・ベアーand ピーター・ビダルフ)に連れてって

 もらった。

 彼らは”このヴァイオリンを見てごらん”と言ったが、

 わずか10歳のデイヴィッド少年は全てのヴァイオリンを

 言い当てることができたのであった。

 

 デイヴィッドにとってはどのヴァイオリンにも顔があり

 すごく美しい顔もあれば時々は魅力が足りないものもある。

 だけどいつも個性がある。

 デイヴィッドはこう書いている。

 

 「人の顔は忘れないだろ?だからヴァイオリンの顔も

  忘れることはほとんどないんだよ。」

  (↑ホホー)

 

 チャールズ・ベアーは素晴らしい、ヴァイオリンの

 エキスパートだが、彼はデイヴィッド少年にこう言った。

 「今まで見たことがないほど、ヴァイオリンの素晴らしい

  目利きだ。」

 そして彼はこうも言って、今でも言い続けている。

 「もしもヴァイオリンを弾くことにギブアップしたら

  ここに来なさい。一緒に働こう。」

 (↑ハハハハハハ、スカウトされた。)

 

 デイヴィッドは、今、ストラディヴァリウスとグァルネリの

 二つのグレイトブランドを持っているが、

 グァルネリの方が心揺さぶられるみたい。

 ストラディヴァリウスは、もちろん素晴らしくて完璧な音

 だけれど輝かしく明るい面しかない。

 でもグァルネリは、もっと暗い部分もあって深い人間的

 とも言える悲劇性のある音を持つグァルネリに惹かれると

 書いている。

 

 ストラディヴァリは、人手がたくさんあって結構多く製作 

 できたけれど、グァルネリはお金がなくて人を雇うことが

 できなくて一人で作っていたせいもあって数が少ないらしい。

 しかも、ストラディヴァリは長生きだったが、

 グァルネリは早逝している。

 

 その希少性がストラディヴァリウスよりも高価なものに

 しているんだろうけれど、その生活苦でありながらも

 作り続けた魂みたいなものがヴァイオリンから立ち上がって

 来るんだろうなとも思う。

 

 ところで、デイヴィッド・ギャレットニュースレターから

 ↓これ受け取ったんだけど、皆さんはちゃんとご覧になれました?

 

 イタリアのタオルミナのコンサートがドイツグラモフォンの

 チャンネルからタダで1ヶ月間見られるよん。コードを入れてね、

 っていうお知らせ。

 

  

いやーわたしこれ読んだ時、1ヶ月間って書いてあったから

メール来たのが4月半ばだったから5月の半ばまでの間に見ようって思って

のんびりしてた。

先日、そろそろ見ようと思ってちゃんと読んだら”4月30日まで”って

書いてあって、ウソやろと思いながらサイトに行ったら、

もうフリーコードは使えませんって書いてあった。。。

まあ、このstage+の会員になってお金払えばいつでも見れるんだけどね。

 

そのうち見ようと思います。

あと、楽しみなのが次のプロジェクトだよね。↓

 

 

↓13日のケルンでの記者発表に10組ご招待チャレンジを

やってたね。当たった人、いいなあ。

ヨーロッパに住んでたら絶対に応募するんだけれどね。

誰か、行った人がいたら教えてね〜