このチャプターは、デイヴィッドのクラシックの
考え方みたいなもの。
「それで、まだ僕の砂上の楼閣は建っているのだろうか?
時々、目が覚めてこのことを考えることがある。
まだ崩壊していないことに驚かされる。
壊れやすそうに見えるが、かなり頑丈にできているようだ」
なんのこと言っているかというと、自分のヴァイオリニスト
としての立場について。
クロスオーヴァーアルバムを出した後、
批評家たちはこぞってデイヴィッドを批判し、それ以来
何度も激しい批判に晒されてきた。
ジーンズにブーツでオーケストラのステージに立つことに
腹を立てる人がいることもわかっていたが、
過去の偉大な音楽家たちも批判されてきた。
モーツァルトが作曲した曲も、当時は酷評されていた。
(↑いつの世も新しいものは批判される)
そんなふうに批判されたとしても、
いまだに著名な指揮者やオーケストラがデイヴィッドを
招待し続けてくれるので、デイヴィッドは自分がやって
いることはいくつかの新しいドアを開いたのではないか
と信じているのだが、ある時、それが当たっているので
はないかと思う出来事があった。
デイヴィッドがマヨルカで過ごしている時に、
音楽ビデオを見ていたら15.6歳ぐらいの
女性ヴァイオリニストの演奏に出会った。
メニューインコンペティションに参加している時のもの
だった。
デイヴィッドは書いている。
「僕はものすごく感動した。
こんなことはめったにしないことなんだけど、
彼女のインスタグラムにメッセージを送ったんだ。
彼女がどんなに素晴らしいと思ったか。
”僕の意見では、君がこのコンペティションの勝者
に値すると思うよ”と。
だけど、彼女は僕が誰だか知ってさえいるだろうか?
もし知っていたとしたら、ある長髪のクロスオーヴァー
のヴァイオリニストから称賛を受けただけと思うのかも
しれない。
しかし、24時間以内に彼女から返信があって、
”ありがとう!
あなたからそのようなことが聞けるなんてとても
素晴らしい。私はあなたのアルバムを全部持っているわ”
その返信は、僕を長い間幸せにしたよ。
結局彼女は、そのコンペティションのウィナーになったんだ。」
(↑へええ)
つまり、若手のクラシックヴァイオリニストが
自分を好ましく思ってくれていることが、批判され続けて
いるデイヴィッドの励みにも自信にもなるってことよね。
こんなにスターヴァイオリニストになっているのに
まだ、謙虚な気持ちでいるんだね。素晴らしい。
これからも”実るほど首を垂れる稲穂かな”で行ってほしい。
「今日では、ソナタやシンフォニーの楽章の間に拍手を
することは、”知識が豊富な”オーディエンスの中では
バカに見えるようになっていて、最後の一小節が終わる
まで誰も手を動かさない。
しかしながら、僕のコンサートでは楽章と楽章の間に
拍手をすることを歓迎しているし、みんな実際にしている。
これは、僕のセカンドキャリアが始まったころ(クロス
オーヴァーを始めてから)数え切れないほどの批評家たちが
僕のオーディエンスがいかに無知であるかを喧伝する
理由にしていたことだ。
(💢なに〜💢💢)
とんでもないことだ。
音楽史に詳しい人なら1920年ごろまでは楽章と楽章の間
に拍手をするのが一般的だったことを知っているだろう。
一つの好例が、1879年ライプティヒのゲヴァントハウス
で、ブラームス自身が指揮でヴァイオリニストがヨアヒムの
ヴァイオリンコンチェルトin D Majorの初演の時のこと。
第1楽章の終わりのカデンツァ、これはものすごい
チャレンジングなソロだ。その間はオーケストラは沈黙し、
最後に戻って一緒に弾く。
ヨアヒムのソロが終わってオーケストラが戻ってきた
その瞬間、なにが起こったか。
オーディエンスは最初のコーダのスタート時に拍手をした
のだ。その高揚感の爆発が自然発生的にその拍手となった。
なんという野蛮さ。
(↑これは知識が豊富としている人に向けての皮肉ですね。)
ベートーヴェンのヴァイオリンコンチェルトの第一楽章を
汗ばんで弾いたヴァイオリニストにとって、ホールの中が
死んだように沈黙してたらどれだけ落ち込むか知ってるよ。
またはチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトの
第一楽章の終わりに向かってどんどん速くなっていって
いる時ーそれはオーディエンスが舞い上がるように書いて
いるのに、その代わりリスナーたちはまるで拘束服を
着ているが如く微動だにしないなんてことになったら
目も当てられない。
第1楽章での熱狂さの表現は、いい雰囲気にするし
第2楽章ではオーディエンスはもっと快適に聞くことが
できる。
だから僕のコンサートでは
”拍手を強要したくはないよ、だけどもし喜びを表現
したいと感じたら、どうぞご自由にお願いね。”」
と言っている。
みなさん、聞きましたか?
デイヴィッドが、またクラシックでやってきたら
躊躇せず感情を拍手で表現しましょう。
たとえ、”私はクラシック通です”人が微動だにしなくとも
デイヴィッドファンは音楽を楽しむことを表現する
のが美徳です。
しかし、そうは言ってもメキシコのようにtoo muchは
よくない時もあるのよ。
メキシコでクラシックをやった時、大入超満員になって
外にまでモニターを用意することになったんだけど、
演奏中に騒ぎすぎて、演奏に支障をきたし、もっと
静かに聞いてくれないだろうかと要請が出たことがあった。
🤣🤣🤣
ところで、デイヴィッドがメッセージを送った若手の
ヴァイオリニストは誰だろうかと考えたんだが、
15、16歳ぐらいでメニューインコンペティションでしょ。
んで、デイヴィッドが感動するぐらいインパクトが
あった子よね。
この、2021年の二人のうちどちらかだと思うんだけど、
15.16歳というその条件通りだと、この日本人の↓
若尾 圭良ちゃんなの。
で、もう一人、こちらはシニアの方で、
この時は19歳だったのよね。
マリア・ドゥエニャスで去年だったかドイツ・グラモフォンと
契約してて、来日コンサートもしてる。
彼女のインパクトも半端ないじゃない?
2018年のウイナーも見てみたんだけど、
その時は11歳ぐらいの子供だったから、やっぱりどっちかだと
思うのよね。
いずれにしても、どちらも素晴らしいです。
特にマリア・ドゥエニャスはスパニッシュの血が存分に
沸る演奏だわ。
あ、そう言えばもう聴いた?
↓新しいコンピレーション「Rock Classics」
曲目は
1:Eye of the tiger
2:Bitter Sweet Symphony
3:Smells Like Teen Spirits
4:Enter Sandman
5:Born in the USA
6:Asturias
CDは前のようには売れなくなったけれど、
ストリームになって、気軽にコンピレーション作れるところは
良いところだね。