クラシック業界ではないが、経験豊富な音楽業界人の

Rick Blaskeyとフランクとでプロジェクトが

本格的にスタートし始めた。

 

Rickはその豊富なアイディアで、

映画「Delivarance(脱出)」の中の曲、

Duelling Banjosのアイディアを出す。

クラシックギターとヴァイオリンのデュオで

最後には、僕たちのファーストアルバム

「Duelling Strings」になった。

 

↑え?こんなアルバムあったん?

 

って思ったが

「だけど、我々はまだレコード会社を必要と

していた」って書いてあるから、

きっとインディーズで最初は出したんだね。

 

Rickは、デイヴィッドがドイツ・グラムフォンと

契約していたことを知っていた。

ドイツ・グラムフォンはユニバーサル・ミュージック

の子会社なのでドイツのユニバーサルに打診する

ことが理にかなっているということになった。

子供から少年時代をドイツで過ごしたし、

今回のプロデュースは、ロンドンよりドイツを

選んだ。

 

多分コンタクトを取るのは、ジャズとクラシック

音楽部門のヘッドがいいだろうということで

ユニバーサルドイツにデモテープを送った。

デイヴィッドは、ベルリンのオフィスで彼と会った。

 

その時のことをデイヴィッドはこう書いている。

「今でも、一言一句思い出すことができる。

 僕が送ったデモテープを聞いたかどうかの質問に

 彼はこう答えた。

 ”うん、全部とてもよかったよ。

 だけどドイツでは10枚も売れないだろう。

 これはクラシックではない。

 ジャズでもない、POPでもない。

 一度に全部入ってる。

 Media-MarketやSaturnのどこのCDセクション

 におけばいいのか教えてくれよ。

 残念ながらお断りするよ。

 我々は興味ない。”」

 

↑この話は、インタビューで結構言ってたね。

よっぽど気に入らなかったんだろうね。🤣🤣

ちなみにメディア・マーケットもサターンも

ドイツのヨドバシカメラみたいなところ。

 

断られてがっくりきたデイヴィッドは、

ベルリンからロンドンのRickに電話した。

「そいつなんもわかっていない」

とRickは言った。

(そうだそうだ。センス無さすぎやろ)

 

Rickは決してへこたれることなく、次は

ロンドンのユニバーサルインターナショナル

に売り込みをかけた。

そして驚くなかれ、彼らは興味を持った!

彼らにとって、セクションなんてなんの

問題にもならなかった。

そして、契約するに至った。

フランクのスタジオで最初の絶望的な試みから

約3年後の2006年、最初のクロスオーヴァー

アルバムはあと1歩のところまで来たのだった。

 

ユニバーサルは、時間を無駄にしなかった。

デモテープの中から14曲を選び、デイヴィッド

たちをすぐにレコーディングスタジオに送った。

 

だけど、リスクを取りたくないし予算もいきなり

かけられないので、ユニバーサルは、デイヴィッド

を東南アジアに行かせた。

つまり、イギリスやドイツなどの

大きなマーケットで勝負する前に、

小さなエリアでテストマーケティングしてみる

というもの。

 

クロスオーヴァーそのものがチャレンジング

だから、このやり方はわかる。

 

そしてデイヴィッドは、

身長が191cmもあり、その余るような長い足を

16時間もエコノミークラスの真ん中のシート

に押し込んで香港、シンガポール、台湾へと

旅立ったのであった。

 

ここでは、朝から晩までインタビューを受けた。

それは、学校新聞からニュース番組まで。

台北、シンガポール、香港のショッピングモール

でのミニコンサートはとてもエキサイティング

だった。

巨大なショッピングセンターの中に小さな

ステージを作り、自分自身でセットして、

少しインタビューを受けて、ヴァイオリンを弾く。

時々、ピアニストまたはギタリストが一緒につく。

コンサート環境としては素晴らしいものではなかった

が、オーディエンスの反応はものすごかった。

近くのレコードストアではCDも売ってくれた。

簡単にいうと、成功だった。

少なくとも2000人のオーディエンスが来てくれた。

そしてなんと、そのアルバムは香港のポップチャート

で3位になったのであった。

 

↓懐かしい。

 

 

こうしてアジアで成功したデイヴィッドだったのだが、

割と最近のできごと。↓

 

「ヨークとアジアのどこか忘れたけれどストリートマーケット

 を歩いていたら、David GarrettのCDとDVDが売ってて

 オリジナルパッケージじゃなくて全部海賊版だったんだよ。

 でも特に気にしないよ。それどころか幸せだ。

   偽物のロレックスの時計やマンゴの間で自分の作品が

 売られてるなんて大したもんだよ」

 

とおおらかなことを言ってる。

これ、ずっと前にコンサートでも言ってたよね。

たしかタイで見つけたって言ってた。

 

確かに、みんなが欲しがるものってことだもんね。

🤣🤣🤣