英語教育会社大手のEnglish Firstが、44ヶ国に住む200万人以上の人を対象に実施した無料英語テストの結果から、「英語圏以外の国の人々の英語力ランキング」を作成しました。
その結果は下のとおりでした。
元のデータは
こちら
。
【世界の英語力ランキング】
1 位: ノルウェー 69.09 非常に優秀
2 位: オランダ 67.93 非常に優秀
3 位: デンマーク 66.58 非常に優秀
4 位: スウェーデン 66.26 非常に優秀
5 位: フィンランド 61.25 非常に優秀
6 位: オーストリア 58.58 優秀
7 位: ベルギー 57.23 優秀
8 位: ドイツ 56.64 優秀
9 位: マレーシア 55.54 優秀
10位: ポーランド 54.62 標準的
11位: スイス 54.60 標準的
12位: 香港 54.44 標準的
13位: 韓国 54.19 標準的
14位: 日本 54.17 標準的
15位: ポルトガル 53.62 標準的
16位: アルゼンチン 53.49 標準的
17位: フランス 53.16 標準的
18位: メキシコ 51.48 標準的
19位: チェコ共和国 51.31 標準的
20位: ハンガリー 50.80 標準的
21位: スロバキア 50.64 標準的
22位: コスタリカ 49.15 標準以下
23位: イタリア 49.05 標準以下
24位: スペイン 49.01 標準以下
25位: 台湾 48.93 標準以下
26位: サウジアラビア 48.05 標準以下
27位: グアテマラ 47.80 標準以下
28位: エルサルバドル 47.65 標準以下
29位: 中国 47.62 標準以下
30位: インド 47.35 標準以下
31位: ブラジル 47.27 標準以下
32位: ロシア 45.79 標準以下
33位: ドミニカ共和国 44.91 低能力
34位: インドネシア 44.78 低能力
35位: ペル 44.71 低能力
36位: チリ 44.63 低能力
37位: エクアドル 44.54 低能力
38位: ベネズエラ 44.43 低能力
39位: ベトナム 44.32 低能力
40位: パナマ 43.62 低能力
41位: コロンビア 42.77 低能力
42位: タイ 39.41 低能力
43位: トルコ 37.66 低能力
44位: カザフスタン 31.74 低能力
上位はヨーロッパが占めています(私は、「ノルウェーやオランダ、スウェーデンでは、英語圏と遜色ないくらいみんな英語を話せるというイメージを持っていましたが、それは正しかったようです)。
EFによるヨーロッパ地域の英語力の分析で、面白いことが一つ指摘されていました。
それは、「2位・3位に挙げられているオランダとデンマークでは、この英語力テストを受けた人たちが英語学習を開始した時期は10~12歳からだった。一
方23位・24位のスペイン・イタリアは8~11歳。つまり、英語の学習開始時期が早いことと、英語の習熟度は関係がない」。
これは、個人的には衝撃の分析でした。ただし、オランダではテレビ放送が英語だったりと、早くから学校以外で子供が英語に触れる機会はあるようなので、生活の中で英語がどれだけ使われているかということはもっと詳細に調査される必要があると思います。
さて、このランキングによれば日本は14位です。
いろいろご意見はあるでしょうが、私はこれまで「日本人の英語力は低い」とさんざん聞かされていましたので、この順位を「意外に高い」と感じました。
「韓国に負けているのか」と思うかもしれませんが、ポイントから見ると、ほんの0.02ポイント差。二つの国はほぼ同じと言っていいでしょう(これも意外でした。韓国の方がずっと高いと思っていましたので)。
EFの分析でも、日本と韓国は一括りで論じています。儒教に由来する教育に対する関心の高さ、公教育と私教育の両方で英語教育の機会がたくさん設けられていることなどが原因に挙げられています。
イギリスに植民地支配されていた歴史を持つインドの英語力が予想以上に低かったことについて、分析ではこう述べています。「評判は常に正確とは限らな
い」。ケンブリッジ大学出版局の見積もりを引き合いに出し、「英語学習者の数について、インドはまもなく中国に追い抜かれるか、すでに追い抜かれているだ
ろう」とも書いています。
「英語力」の定義自体が国によっても大分違いますので、この英語力ランキングは一つの参考程度に見るのが正しそうです。
ところで、日本人の英語力をもっと伸ばすにはどうしたらいいのでしょうか。
一つの提案として、大学入試の「英語」という科目から完全に「和訳」を独立させる、というのはどうでしょうか。同時に、TOEFL iBTのような、インターネットを利用したSpeakingの試験を組み込む。
「和訳」は日本語の文章の構成能力が深く関わる特殊技能で、英語力の定義のボーダー上にある技能です。これを独立させることで、大学はそれを受験生に課すのかどうかを選択できるようにします。
こうすれば、わざわざ指導要領で述べるまでもなく、高校の授業は当然コミュニケーション中心になるでしょう。そして、特殊技能である和訳が必要な人に対しては、「和訳」の授業を選択科目として独立して設けるのです。
これで、少なくとも現場の教師も生徒も「訳読とコミュニケーション」のジレンマに悩むことなく授業で教え、学ぶことができると思うのですが。