俳優の渡辺徹さんが亡くなった。
Kakiくんよりも一回り年下の61歳だった。
最近の芸能人の死の中では、Kakiくんの心に一番響いた死だった!!
渡辺徹さんは、極貧の少年時代を送っていたようだ。
風呂なし三軒長屋のような所に住んでいて、ひもじい思いで毎日を過ごしていたのだろう。
それでも頭も良くて、人望もあったから、小学生の時には児童会長、
中学高校では生徒会長をしていた。
貧困だったから大学には行かずに、新劇の劇団 文学座の研究所(俳優養成所)に入って
役者を目指すことになる。
研究生になって2年目に、当時の人気ドラマ「太陽にほえろ」の刑事役に
抜擢されるや大人気となる。
人から勧められて歌も唄うと、これも又大ヒットした。
Kakiくんが凄いな!!と感心するところは、普通はそれだけの大スターになれば
大手の芸能事務所に入って、高額なギャラを貰うことも出来たはずなのに、
彼は文学座に死ぬまで在籍をしていたことだ。
そして舞台俳優として、そこに生涯の生活の基盤を置いていたことだ!!
文学座に育ててもらったのだから、それは当然のことかもしれないが、
しかしながらそうしている人は、実に少ないのだ。
彼は大食漢としても知られていて、人はそれを見て笑う。
しかし彼の心の中には、いつも空腹だった少年時代の記憶が
色濃く残っていたのだ!!
だから、今食べられる喜びを、最高の至福としていたのだろう。
乾電池やカミソリの刃やマヨネーズなど、まだ在庫がいっぱいあるのに
買い物に行くと、ついつい同じ物を買ってしまうのは、少年時代に
物を失うことが多かったからだろう!!と思う。
PS
実はKakiくんも、20歳の頃 文学座を受けたことがあった。
募集人員30名のところ、受験者は3000人だった。
見事に一次試験で落ちたよ!!
それにしても渡辺徹さんは、新劇界から出た最後のスターとなった!!
60代、70代、80代で今も活躍されている俳優さんの多くは、
新劇出身の人が多いが、50代以下ではほとんどいない!!