2歳8ヶ月の君が、動画に映っている。
両手にフォークを持ち、その両手を上に向けている。
フォークの先には、グラタンのマカロニが刺さっている。
右手のフォークを口に運ぶ。
君はその美味しさに思わず微笑む。
次に、左手に持ったフォークを口に運ぶ。
君は小躍りするようにキャッキャッ!と笑う。
満面の微笑だ。
その時に、おばあちゃんの声が聞こえる。
「おいしい!?」「おいしいの!?」と、訊いてくる。
君はその言葉を無視して、別の方向を向いてしまう。
おばあちゃんが重ねて訊いてくる。
「おいしい時は、何んて言うんだっけ?」と訊いている。
君は、それには答えない。
横を向いたままでいる。
それでいいんだよ、Sくん。
強制されて「おいしい!」となんて、言わなくていい。
大人たちだって、美味しい時にいちいち言わないで食べていることを君は知っている。
「おいしい!」「おいしい!」と言いながら食べる人も一部にはいるが、
多くの人は何も語らず、黙々と食べ物を口に運んでいることを君は見て知っている。
子供だけが「おいしい!」って言いながら食べなくてはいけないなんて法はない。
箸が進んでいるということが、美味しいという何よりの証拠だ。
だから、君の態度はコレクトだ。
インコレクトではない。
満面の微笑だけで、その美味しさは周りに充分に伝わっている。
大人の言うことに答える子は、臆病な子供になる。
君は、君らしく生きればいい。
大人の強制に従わなくたっていい。
僕は、そんな君を応援しているよ