日本の刑事裁判での有罪率は99.9%と言われている。 

しかし、“アンチ”な弁護士、明墨正樹(長谷川博己)は、残り0.1%に隠された「無罪の証拠」を探し依頼人を救う救世主のような人間ではない。

 たとえ、犯罪者である証拠が100%そろっていても無罪を勝ち取る、殺人犯をも無罪にしてしまうようなヒーローとは言い難い、限りなくダークで危険な人物。はたして、正義の反対は、本当に悪なのだろうか…?。 

明墨の手段を選ばない弁護の手腕ややり方に戸惑いながらも、明墨が目指す正義を見極めようとする若き弁護士の赤峰(北村拓海)や紫乃宮(堀田真由)は、本当の正義を見極められるのか? 

明墨が関わる裁判で、明墨がターゲットにする検察官や警察や判事と12年前の「糸井一家殺人事件」の繋がり、明墨と明墨の上司だった伊達原検事正(野村萬斎)の因縁、法による安寧を約束しているはずの検事や警察と権力の癒着と隠蔽の深い闇。

 「アンチヒーロー」は、理不尽や不正から救うダークヒーローなのか?それとも、法をねじ曲げる悪なのか?

 「よーくご覧ください」by明墨正樹。 





















前半5話までは、警察が握る証拠や証言をひっくり返す為なら証人の障害や後ろ暗い秘密すら利用し警察や判事や検事にワナを仕掛ける明墨正樹弁護士の弁護のやり方は倫理的に100%肯定出来ないけど時に警察や判事や上級国民の不正や犯罪を暴く明墨正樹弁護士の言動に揺るがない信念がかいま見えて、赤峰弁護士のように明墨正樹弁護士の信念や追い求める正義を知りたくなり惹きつけられ、またバラバラに見えた事件の繋がりが見えてくる前半部分。 

「糸井一家殺人事件」の真相を追求し続ける明墨正樹弁護士の信念を知った赤峰弁護士や紫乃宮弁護士が、明墨イズムを受け継いで清濁併呑む弁護士としての成長を描きつつ、明墨弁護士と赤峰弁護士たちが協力して「糸井一家殺人事件」の真相を隠蔽しようとする伊達原検事正たちの様々な妨害に負けず真相を暴く証拠を見つけようとするアンチヒーロー弁護士の捜査線のスリリングなサスペンスと裁判劇に一喜一憂させられた後半戦、「半沢直樹」張りに逆転と裏切りが連続する最終回の息詰まる展開にハラハラドキドキし、法の力を盾に正義を暴走させ踏みにじってしまった明墨正樹や覚悟と力がない為に依頼人を救えなかった赤峰弁護士や父の罪と向き合おうとする紫乃宮弁護士や罪を隠してきた者たちの熱い贖罪のヒューマンドラマに心熱くさせられたダークヒーローいや「アンチヒーロー」・リーガルサスペンスドラマ。

 「あなたを無罪にして差し上げます」