夫ジェームズの死を目の前で目撃してしまったハーパー(ジェシー・バックリー)は、心の傷を癒すため、イギリスの田舎街を訪れる。 

そこで待っていたのは、豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリー(ロリー・キニア)だった。 

ところが街へ出かけたハーパーは、少年や牧師、警察官など、出会う男たちが管理人のジェフリーと全く同じ顔であることに気づく。

街に住む同じ顔の男たち、廃トンネルからついてくる謎の影、木から大量に落ちるりんご、そしてフラッシュバックする夫の死……。 

不穏な出来事が連鎖し、“得体の知れない恐怖”が徐々に正体を現し始める……。 

「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが、「ロスト・ドーター」のジェシー・バックリー主演で贈るホラー。 

















 女性の訳ありな事情を根掘り葉掘り知りたがったり、ひとりでハメを外したいのにバーで「奢りますよ」と絡んできたり、女性の訴えを軽く流したり、離婚した女性に「あなたにも責任があるのでは」と責めたり、有害な男らしさのカタログのような男たちに、ハーパーじゃなくてもゾワゾワする。 

登場する男たちが、承認欲求や支配欲や性欲や幼児性の塊で男性の目から見てどの男も気持ち悪いけど、一番気持ち悪かったのは異常に妻ハーパーを束縛し暴力を振るったり死んだ後もハーパーに罪悪感を与える夫ジェームズや「あなたは夫に謝る機会を与えましたか?」とハーパーを責めたりする牧師だった。 

ハーパーが、どのように夫ジェームズと離婚しなぜ心の傷を引きずっているのかが、ハーパーが同じ顔をした男たちに次第に脅かされていく日常ホラーの組み合わせに、ゾワゾワしながらも、「トキシック・マチズモ」の継承されていく根深さの気持ち悪さとラストのオチの対照がクセになるホラー映画。


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