性的同意は、性的な行為に対して、その行為を積極的にしたいと望むお互いの意思を確認することです。

性的な行為への参加には、お互いの「したい」という “ 明確”で“積極的な意思表示”があることが大切です。 

「性」には「生殖」「快楽」「暴力」の3つの側面があるとも言われています。 

「生殖」は子どもを産んで、子孫を残すということ。生き物として大切なことです。

そして、たとえ若くても、初体験でも、妊娠を望んでいなくても、性行為は妊娠につながる行為です。 

「快楽」は気持ちいいと感じたり、楽しむことです。「快楽」には身体が「気持ちいい」というだけではなく、心が「楽しい」「満たされる」「安心する」という側面もあります。

身体だけではなく、心も満たされる性行為のためには、お互いに心を許しあえ、「こうしたい」という欲求を安全に共有しあえる関係性が必要です。 

そして、「支配・暴力」。快楽にもなる性ですが、人を自分の思い通りにするためのツールとして使われたり、人を傷つけたり、傷つけられたりすることにもなります。自分にとって楽しいものが、誰かにとっては苦しいものになりうるということです。 

性の多様な側面があることを知ることにより、自分の考え方、相手の考え方を尊重し、良い関係を築いていく手がかりになるでしょう。 

また、誰もが性欲があるというのは思い込みで、個人差が大きいことです。性欲を全く感じない、または感じることが少ないというのも自然なことで、侵害されるべきではないその人の性のあり方です。 

性行為は愛情表現と考える人もいますが、愛情の有無にかかわらず、恋人同士や婚姻関係にあっても同意のない性行為は相手を傷つけてしまうことがあります。

自分がしたいからといって、相手もしたいとは限りません。

目があった時に笑ったり、2人きりでお酒を飲んだり、家に行ったり、キスをすることが性行為を同意を示すわけではありません。

お付き合いをしていることや、結婚していることで「いつも相手の性行為に応じなければいけない」というわけではありません。

また性行為にいつも応じることが愛情の深さを示すわけではありません。 

 性的同意とは、すべての性的な行為に対して、お互いがその行為を積極的にしたいと望んでいるかを確認するということです。 

本来、性は人を豊かにしてくれるはずなのに何か気持ちがもやもやする、嫌な気持ちになる、というのは、お互いの“同意”が尊重されていなかったことが背景にあるのかもしれません。

同意のない性的言動は性暴力です。

全ての性的な行為において確認されるべき同意をセクシュアル・コンセント(性的同意)といい、近年その概念が広がってきています。

性的な行為への参加には、お互いの「したい」という “ 明確”で“積極的な意思表示”があることが大切です。 

性的同意はパートナーであっても確認する必要があり、強引な行動は支配や性暴力になります。

何も言わないことは同意ではなく、お互いがはっきり伝え合うことが大事です。

性的同意はネガティブなことではなく、同意があればその行動は楽しく、素敵なことになります。 

 性的同意のポイントとして、以下が挙げられます。 

 ・NOと言える環境が整っている(非強制性) 

 ・社会的地位や力関係に左右されない対等な関係である(対等性) 

 ・1つの行為への同意は他の行為への同意を意味せず、その都度の確認が必要(非継続性)

※いつでも「やめて」と言える・その行為が「したい」という明確で積極的な同意がある(明確性) 

 また、同意のためには、性行為によって何がなされるかを十分に理解しており、性的な行為をした場合に起こり得る結果と性行為を行わない選択肢について知っていることや、途中で気が変わることも含めて性行為をしない選択肢も尊重されること、具体的に確認されることも重要です。 

 同意を示すためには、自分のしたいことが持つ意味とリスクを十分に理解していることが前提となります。

そのため、お酒に酔っている人や寝ている人は同意を示すことができません。 

 性行為の際は、自分の気持ちを押し付けたり、逆に相手任せや言いなりになるのではなく、したいこと・したくないことなどお互いの気持ちを確かめあいながら進めることが大切です。 

 日本の刑法上の性交同意年齢(性行為を同意する能力があると認められる年齢)は 13歳とされてきましたが、2023年に16歳に引き上げられました。 

 16歳未満の人への性行為は同意の有無にかかわらず性暴力(ただし、相手が13歳以上16歳未満の場合は、行為者が5歳以上年長のとき)となり得ます。 

性的同意は、性行為の結果何が起こり得るかを理解したうえで判断されたものでなければ意味がありません。 

性犯罪の規定・改正について、詳しくは法務省のウェブサイトもご覧ください。 









性行為をしたいと思った時、どのように相手との気持ちを確認しあえるでしょうか。

性行為はプライベートな行為なので、まずは誰かに見られる心配のない安全な場所に移動します。 

それから、 性的な行為をしたいと思った方(アクションをおこす側)が相手の意思を確認する責任があります。

 「手をつないでいい?」「●●(体の部位)をさわるのは嫌じゃない?」「したいけど、どう思う?」などと聞いたりすることで、自分のしたい意思を伝えながら、「してほしいことはある?」などと相手の気持ちを確認しましょう。

 同意をとる側は、「嫌だったら嫌って言ってね」「今はやめておいた方がいい?」など、誘う側が相手に断りやすい雰囲気をつくったり聞き方に工夫することもできます。

相手の答えがなかったり、「うーん」と曖昧な場合は、一度ストップして、明確な「したい」という気持ちが確認できるまでは無理に進めないことがより安心につながります。 

どちらかが嫌なこと、痛いこと、こわいことは無理にすることは相手を傷つけることにつながります。暴力を受けていい人はいません。

 ※ただし、「コンドームはしたくない」など、性感染症予防・避妊に協力しないということは相手・自分を傷つけるリスクがあることです。

相手の同意なくこっそりコンドームを外すことは「ステルシング」と言って、性暴力にあたり、相手に不安や不信感を与える行為です。

コンドームをすると射精に至らず不安な気持ちがあれば、普段のセルフプレジャー(マスターベーションとも言います)の方法を見直したり、挿入・射精を伴う行為のみが理想的な性行為・最終ゴールではないことを知っておきましょう。

また、性感染症・避妊の予防や対策はどうするかを向き合ってみましょう。

長々と説明しましたけど、「性的同意」とは信頼関係を基盤に自分と相手の人間関係や力関係に配慮しながらあくまでも相手との意志確認を言葉や態度で取るもの。

「YES MEANS YES.NO MEANS NO」

https://pilcon.org/help-line/consent