野心がない、競争心がない、協調性がない“ゆとり世代”と名付けられた男たちも30代半ばを迎えていた。

正和(岡田将生)は、茜(安藤サクラ)との夫婦仲もイマイチで、家業の酒屋も契約打ち切り寸前。

小学校教師の山路(松坂桃李)は、いまだに女性経験ゼロ。

事業に失敗し、中国から帰国したまりぶ(柳楽優弥)はフリーターと、それぞれの人生の岐路に立たされている。

Z世代、働き方改革、テレワーク、多様性、グローバル化……。

彼らの前に押し寄せる、想像を超える新時代の波。果たしてゆとり3人組の行く末は……? 

日本テレビ系列で2016年4月期に放送されたドラマ『ゆとりですがなにか』の劇場版。

















コロナの影響でノンアルコールの新商品を開発しないと正和の実家の日本酒の酒蔵が、契約切られそうになったり、ゆとりモンスターだった山岸が働き方改革など働き方の変化や仕事などに対する意識がジェネレーションギャップを感じてかつての正和のような中間管理職の悲哀を山岸が味わい成長していたり、YouTubeを仕事に生かそうとする正和やまりぶやゆとりの明暗など、世相の変化を絶妙に取り入れた展開が上手い。

夫婦仲が上手くいかない正和と茜、童貞拗らせながらも外国人移民転校生の悩みなどに真っ直ぐ向き合う山路、事業が上手くいかないまりぶ、働き方改革などの煽りでもまれながら成長してる山岸、新しい仕事に挑戦しているゆとりなど、成長している部分ダメダメな部分がありながらもままらならない現実にぶつかってなんとか生きるがむしゃらな姿のアイツらを見て「お前も頑張ってんな、お互い頑張ろうな」と思えるコミカルでリアルな青春群像劇が、「面白うてやがて切ない」。

この映画は、「トレインスポッティング」の続編「T2トレインスポッティング2」みたいな同窓会映画。

岡田将生や松坂桃李や柳楽優弥などドラマのレギュラーキャストだけでなくゲスト出演の木南晴夏などの演技アンサンブルが賑やかな青春群像コメディ映画。

「あんたの正義は、いったい何だ!」

次は、アラフォーになったアイツらと、会いたい。








ドラマ「ゆとりですが何か」レビュー