エミリー(フィービー・ディネヴァー)は、ニューヨークの熾烈なヘッジファンド、ワン・クレスト・キャピタルのアナリストだ。

彼女には、同僚で密かに同棲している恋人のルーク(オールデン・エアライク)がいた。 

ルークの兄の結婚パーティーに出席した二人は人目を避けて濃密なキスを交わしていた。

その時、ルークのポケットから指輪が転がり落ち、驚き目を見張るエミリーにルークは求婚。

信じられないと何度もつぶやきながらも、エミリーは承諾する。 

翌朝、まだ夜も開けぬうちから起き出し、二人は家を出た。

ワン・クレスト・キャピタルではアナリスト同士の恋愛はご法度なので、彼女たちは他人同士のふりをしなければならない。

そのため、通勤も別々のルートで向かう。

婚約が発表する前に漏れてしまうことだけは避けたいエミリーは、折を見てきちんと皆に話したいと考えていた。 

仕事中、CEOのキャンベル(エディ・マーサン)が部下と共にエミリーたちの上司であるポートフォリオ・マネージャーのところにやって来た。

何かを告げられた上司は、突然ゴルフクラブで自分のデスクを破壊し始める。 

こうして誰もに昇進のチャンスが訪れ、様々な噂が飛び交う中、エミリーはルークが一番の候補だと言う声を聞く。

彼にそのことを告げると、ルークは満更でもない表情だ。 

しかし、昇進を言い渡されたのはエミリーの方だった。

キャンベルは、決して恵まれた環境で育ったわけではないエミリーが努力してここまでキャリアを築いて来たことを知っており、彼女の力量を高く評価していたのだ。 

ルークよりも先に昇進したエミリーは気まずく感じ、彼に謝るが、彼が笑顔でおめでとうと言ってくれたのでほっと胸を撫でおろす。 

だが、ルークのその態度は見せかけだった。

彼の心の中は嫉妬と怒りに満ち、他の同僚たちが、エミリーが色仕掛けで昇進をものにしたのだと噂するのを聞いて、彼もまたそう思い込み、エミリーを怒らせる。 

2人の間には、不穏な空気が漂い始める。











出世競争が激しいヘッジファンド会社で関係を隠しながらステディな付き合いを続けるルークとエミリー。

彼氏のルークが昇進候補と見られていたが、実際には彼女のミリーがルークより先に出世した。

ルークは、ミリーの昇進を喜ぶが、ルークの同僚が嫉妬から「女を使った」と噂したり、CEOのキャンベルと昇進の発表の前日にミリーと深夜に会っていたことにあらぬ嫉妬を募らせ、ミリーの誘いを断ったり、ヘッジファンドの取引に必要な会社のデータの分析をわざと遅らせたり、ミリーの服装などを揶揄する発言を繰り返したり、ヘッジファンドの取引でルークが判断ミスをしてミリーの足を引っ張ったり、体の関係が上手くいかなくなったり、ラブラブだったミリーとルークの中に秘められた嫉妬やミソジニーや劣等感や野心が浮き彫りになり、ミリーとルークの仲が少しずつ崩壊していくラブサイコサスペンスの中で、女性たちが男社会で出世する中で猛烈な仕事ぶりだけでなくセクハラ混じりのジョークまで過剰適応しなければ出世競争に生き残れない男社会の歪みやプライドが邪魔して自分の能力の無さや恋人の昇進を受け入れられず恋人の足を引っ張り自分の過ちを認めない男の秘められたミソジニーを浮き彫りにし、ミリーを演じたフィービー・ディネヴァーとルークを演じたオールデン・エアライクの鬼気迫る熱演に惹きつけられ、表向きの社会はジェンダー平等による機会均等を謳いながらも個人的な内心の価値観がアップデートし切れていない「フェアプレー」じゃない社内恋愛カップルの泥沼を描いたラブサイコサスペンス映画。

Netflixで、配信中。