漫画家・岸辺露伴（高橋一生）は、人の心や記憶を本にして読み、指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズドアー」を持っている。
露伴は、漫画家デビューしたての青年時代に淡い思いを抱いた女性の奈々瀬（木村文乃）から、この世で「最も黒い絵」の噂を聞く。
それは最も黒く、この世で最も邪悪な絵だという。時は流れ、新作を執筆していた露伴は、取材の中でその絵がルーヴル美術館に所蔵されていると知る。
取材とかつての微かな慕情のために、担当編集者の泉京香（飯豊まりえ）とフランスを訪れるが、不思議なことに美術館職員のエマ（美波）やキュレーターの辰巳（安藤政信）ですら黒い絵の存在を知らなかった。
データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z－13倉庫」だった。
そこで、黒い絵が引き起こす恐ろしい出来事が露伴を待ち受けていた……。
荒木飛呂彦の人気コミックを原作とする実写ドラマの劇場版。
漫画家デビューしたての青年時代に、漫画の練習の為に祖母の家に下宿していた頃、謎めいた美女の奈々瀬と出会い彼女をモデルに絵の練習をする中で、奈々瀬から聞いた「最も黒い絵」の周辺で起きる怪異と「最も黒い絵」を描いた画家の過去を、岸辺露伴が謎解きをしていく展開が、「最も黒い絵」をめぐって暗躍する謎めいた男たちとの戦いやルーブル美術館の使われていない地下倉庫に秘められた闇と「最も黒い絵」の怪異に岸辺露伴が立ち向かう中で描かれるので、青年時代の露伴と奈々瀬の淡い初恋のミステリアスなロマンスと呪いを秘めた「最も黒い絵」が引き起こす怪異のサスペンスホラーがしっかり描かれるし、「最も黒い絵」を描いた画家の切ない過去などのオリジナル要素も原作漫画の隙間を補完しているので、岸辺露伴を演じる高橋一生とバディで編集者の泉京香を演じる飯豊まりえももちろんいい演技だったが謎めいた美女の奈々瀬を演じる木村文乃の演技も良かったし、「ジョジョの奇妙な冒険」の初心者にも楽しめるサスペンスホラー映画に仕上がっていた。
「光を反射する鏡は自分を写すが、光を反射しないほど黒い絵は◯◯を写す」
プライムビデオで、見放題配信中。
