“人類を幸福に導く”と謳う組織〈SHOCKER〉によってバッタオーグに改造された本郷猛(池松壮亮)は、緑川弘博士(塚本晋也)とその娘、緑川ルリ子(浜辺美波)とともに組織を裏切り、逃亡する。 

人を超えた力に酔いしれるクモオーグ(大森南朋)や〈SHOCKER〉の戦闘員など追ってくる敵を“プラーナ”によって得た力で殺してしまったことに苦悩する本郷。 

しかし、緑川弘が殺され、死に際にルリ子を託されたことで、『仮面ライダー』を名乗りルリ子と共に〈SHOCKER〉と戦うことを決意する。 

ルリ子の友人であり〈SHOCKER〉の上級幹部で「人間を支配する」ことに快感を感じるハチオーグ(西野七瀬)や「ウィルスで人間を絶滅させる」ことを狙うコウモリオーグ(手塚とおる)など様々なオーグメントと、日本政府の特殊機関と協力しながら、〈SHOCKER〉の野望「ハピダット計画」を潰すべく〈SHOCKER〉と戦う中で、強い信頼で結ばれる本郷猛とルリ子。

だが、本郷猛とルリ子の前には、本郷猛と同じバッタオーグであるジャーナリストの一文字隼人(柄本佑)とルリ子の兄イチロー(森山未來)が立ちはだかる。

1971年の放送開始から50周年を迎えた2021年、新たに劇場映画として製作が発表された「仮面ライダー」。

『エヴァンゲリオン』シリーズ、「シン・ゴジラ」の庵野秀明が新たな解釈で監督・脚本を担う特撮アクション映画。























庵野秀明さんが、「仮面ライダー」を令和に甦らせるメソッドは基本的には「シン・ウルトラマン」と同じくサイクロン号と変身ベルトなどを使った変身などの仕組みをより空想科学にリアリティを加えて説得力を持たせること。

そして「シン・ウルトラマン」でのウルトラマンと同じく、「シン・仮面ライダー」での仮面ライダーは、心一つにする仲間たちと協力しながら戦いながらも基本的には自らの手を血に染める荊の道を進む孤高のヒーロー像が、警察官だった父が殉職して人を守るために力を求めたが仮面ライダーになった時に「暴力の加減が出来なくなる」ほどの力を恐れ忌みながら恩師の緑川教授とした「ルリ子を頼む」という約束を守るため〈SHOCKER〉と戦う優しき人間臭いヒーロー像の本郷猛を通して描かれているのが、池松壮亮のナイーブな演技もあって胸アツ。

さらに心優しい本郷猛と〈SHOCKER〉を倒すことにしかないルリ子の対照的なキャラクター同士が、〈SHOCKER〉と戦う中で強い信頼関係で結ばれる性別を超えたプラトニックな相棒関係、ナイーブな本郷猛と明るく一匹狼の一文字隼人の対照的な仮面ライダー同士の70年代ヒーロー的な明朗快活なダブルライダーの関係が、胸アツ。

冒頭の仮面ライダーとクモオーグの剥き出しなバイオレンスアクション、仮面ライダーとハチオーグの特殊効果バリバリ活かした華麗なバトルアクション、仮面ライダーと2号ライダーのモーションキャプチャーを活かした華麗な空中戦バトルアクション、ダブルライダーとライダー軍団のバイクバトルアクション、森山未來のコンテンポラリーダンスと太極拳を組み合わせたアクションの上手さが印象的なダブルライダーとチョウオーグのバトル、オリジナルの仮面ライダーの特撮アクションとスタイリッシュな映像を組み合わせた斬新なワクワクさせるアクション。

「エヴァ」に通じる人間への希望と絶望の葛藤を織り込みつつ、新しい仮面ライダーを見せてくれた「心スッキリ」な特撮アクション映画。

「僕は、人を守りたい。その心を信じる」

プライムビデオで、独占配信中。