天才的なドライビング・テクニックを持つウナ(パク・ソダム)が勤めるペッカン産業は、表向きには釜山で廃車処理場を運営しているが、裏では郵便や宅配で送れないモノをあらゆる手で配達する「特送(とくそう)」の仕事を請け負っている。

ある日、ペク社長(キム・ウィソン)からの指令でウナが引き受けた依頼。

それは、海外ヘの逃亡を図る元プロ野球選手で賭博ブローカーのキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)とその息子ソウォン(チョン・ヒョンジュン)を港まで運び逃がすこと。

しかし、違法賭博の元締めであり警官のチョ・ギョンピル(ソン・セビョク)が部下を引き連れて現れ、追い詰められたドゥシクはソウォンをウナとの待ち合わせ場所まで逃がす。

依頼人のドゥシクが不在のまま、ウナは身寄りのないソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目になる。

「パラサイト半地下の家族」で半地下に住むキム家の長女ギジュン役を演じて世界的に評価されたパク・ソダムが、2021年12月に甲状腺乳頭ガンに罹り手術後復帰したアクション映画。



















「ドライブ」「レオン」「アトミック・ブロンド」などをオマージュしつつも、二番煎じになっていないのは、パク・ソダム演じる凄腕ドライバーのウナのハードボイルド・ヒロインの魅力あってこそ。

家族全員を亡くしている壮絶な過去を持つ故に、仕事仲間のペク社長たちと馴れ合わず飼い猫のポドンと2人暮らしで友人を持たず男に媚びず、天才的なドライビングテクニックで生き抜く孤高さと裏腹にペク社長たち仕事仲間や孤独な自分と重ねたソウォンを体を張って守る情の厚さを持つウナのハードボイルド・ヒロインぶりが、伊澤彩織似のパク・ソダムにどハマりしてる。

冒頭の警察などを相手にするハイスピードなカーチェイス、駐車場を舞台にしたカーチェイス&バトル、クライマックスのギョンピルたちとの壮絶なバトルと、スピーディーでスリリングなカーチェイスだけでなく「アトミック・ブロンド」張りのマイナスドライバーをブッ刺しまくるガチンコ格闘バトルもあり、「悪女」に並ぶ傑作韓国ヒロインアクション映画。

「運転したのも、戦ったのも、ワタシでしょう!」