数々の政治家を輩出した名門ブッシュ家に生まれたジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)は、W(テキサス訛りで“ダブヤ”)と呼ばれている。

Wは66年、パパ・ブッシュ(ジェームズ・クロムウェル)も卒業した名門エール大に入学し、アメフトの応援で羽目をはずして逮捕されるが、パパの力で釈放される。

卒業後はパパの力で仕事を得るが長続きせず、女性を妊娠させてパパにもみ消してもらうこともあった。

優秀な弟に目をかけているパパにとって、Wは不肖の息子だった。

Wは、本当は野球の仕事をしたいと言ってパパを失望させる。

72年、Wは酒に溺れるようになっていた。

ある日、酔ったWはパパと口論になる。するとパパは、ハーバード大ビジネススクールの合格も自分のコネだったと告げる。

77年、家業を継ぐ決意をしたWは、地元テキサスの下院議員選で共和党候補を目指す。

ある日、Wはパーティーで、図書館司書のローラ(エリザベス・バンクス)と出会う。当選したら教育アドバイザーになってほしいと口説くが、選挙戦は失敗に終わる。86年、Wの40歳の誕生パーティーの日、パパから電話が入る。

パパは大統領選に向けて、選挙を手伝うようWに告げる。

88年、Wの策略のお陰でパパは大統領に就任する。

4年後、パパの任期は1期で終わり、ビル・クリントンが次期大統領になる。

Wは、湾岸戦争でフセインにとどめを刺していたらパパは負けなかったと考える。

そしてパパを勇気づけ、弟より自分を認めさせるために、フロリダ州知事に立候補した弟に対抗するように、テキサス州知事選に立候補する。落選した弟に対し、Wは当選する。

しかしパパは、弟の敗北を残念がるばかりだった。

そんなある日、Wは大統領になれという神の預言を聞く。

Wはその啓示の通り、第43代大統領に就任する。

しかし9.11同時多発テロが、Wとパパの関係を永遠に変えてしまう。 

アメリカ最低の人気だったブッシュ大統領の恥ずかしい人間性に、鬼才オリバー・ストーンが迫った骨太な人間ドラマ映画。 









偉大な父親がいなければ職にもつけず、お坊っちゃん根性が抜けず生涯父親の愛を求め続けた超ファザコンなブッシュの人間性、イラク戦争に突き進んだ裏側を丁寧に描いています。

度重なる飲酒による事故、フットボール観戦中にプレッツェルを喉に詰まらせて死にかける、父親と宗教上との対立、徴兵逃れ疑惑や大量破壊兵器があったか確証がないのにイラク戦争に突入したなどの隠された新たな事実も、興味深いです。