女子高生殺し屋2人組のちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、高校卒業を目前に控え、途方に暮れていた。

これまで組織から委託された人殺し以外何もしてこなかった彼女たちだったが、明日からはオモテの顔として社会人として振る舞わなければならない。

社会に適合しなければならず、公共料金の支払い、年金、税金、バイトなど、社会の公的業務や人間関係、そして理不尽さに揉まれる二人。

組織からはルームシェアを命じられ、他者とコミュニケーションを取るのが苦手なまひろは、そつなくバイトをこなすちさとに嫉妬。二人の仲は次第に険悪になってしまう。

それでも殺し屋の仕事は忙しく、さらにはヤクザから恨みを買って面倒なことに巻き込まれ……。

阪元裕吾監督の「ある用務員」に登場した女子高生殺し屋二人組に着想して、「明るくてゆるくて楽しい殺し屋アクション映画」を阪元裕吾が目指した青春ガールズアクション映画。













































格闘技やサブカルのオタクで人見知りでコミュ障でネガティヴだけど、小柄な体のハンデをモノともしない素早い動きで殺し屋として一流なまひろ。

一見すると明るくて世渡りが上手いけど、一度スイッチが入ると凶暴になるちさと。

対照的で時にはケンカするけど、お互いがいないと殺し屋二人組としても社会人としてもやっていけない2人のワチャワチャした日常を、「バイトの店長、ウザイから締めちゃったよー😅 ダルー😅」「ちょっとー、銃を洗濯機に入れないでよ」「バイト探すの、ダルー😅」などと、まひろとちさとがジャージ姿で一緒におでんや焼き肉を食べながらバイトや生活の愚痴を言い合ったり、ケンカしたりするユルい日常描写が、まひろとちさとの強い絆が伝わってほっこりする。

特に、まひろとちさとがメイドカフェでぎこちなくバイトするシーン、まひろとちさとがマジケンカした後にまひろがちさとと仲直りするシーンは、心揺さぶられた。

冗談が通じないヤクザ浜岡(本宮泰風)が、メイド喫茶でぶち切れるシーン、コミュ症のまひろとちひろがメイド喫茶で面接するシーンなど、「笑ってはいけない◯◯」のような怖さとコメディが絶妙な阪元監督お得意のコミカルなシーンも、ちょうどいい箸休めになっている。

まひろが、コンビニで組織の手下と戦うアクションシーン、クライマックスでのまひろとちひろがヤクザの娘ひまり(秋谷桃音)たちと戦うアクションシーン、特に伊澤彩織演じるまひろと三元雅芸演じる渡部がバッチバッチに殺し合うバトルシーンでは殴って蹴って関節を取り合い締め合い撃ち合う近接格闘と近接ガンアクションがフリーファイトと殺陣が絶妙にミックスされていてスリリングで迫力満点なアクションが楽しめる、日本映画では異色なほのぼの日常系アクション映画。

U-NEXT、プライムビデオ、Hulu、Netflixなどで、配信中。