小さな出版社の編集部で働く葉子(市川まさみ)は、人とコミュニケーションをとることが苦手で男性恐怖症、真面目だけが取り柄の地味なOL。 しかし最近どうも体の調子がおかしい。

しっかりと睡眠を取ったはずなのに、勤務中に強烈な睡魔に襲われたり、毎日異常な倦怠感を感じている。 そのせいで仕事ではミスを連発、ただでさえ地味な葉子に厳しい編集長には毎日怒鳴られている。 

そんなある日、葉子は突然見知らぬ男に声を掛けられる。「君のことをもう一度抱きたい」「忘れられないんだ」と男に迫られ、その場を逃げ出す葉子。 

やがて葉子は、自分が眠った真夜中に別の人格=ヨーコが、男たちと一夜限りの関係を楽しんでいることを知る。 ヨーコの存在はやがて葉子の日常を侵食し始めるのだが、葉子はヨーコと交換日記を通じて、意思の疎通を図ろうと思いつく。 こうして葉子とヨーコ、私と私の奇妙な交流が始まる・・・。  






昼と夜の人格。理性と欲望。現実の自分と知らない自分。ふたりの自分が交流することによって、秘めた女性の魅力を発揮してたくましく生きていく女性目線の女性映画として楽しめる。
ふたりの自分を巧みに演じ分けた市川まさみの魅力と演技が、よく出ている。
葉子と親友の飾らない女同士の友情も、爽やか。葉子を担当した小説家がストーカーから葉子を救い出し、葉子を小説家がおんぶしながら街を全力疾走して、ふたりの自分がひとつになることでトラウマを克服して、葉子が女性として成長していく終盤の展開が、大人の青春ドラマという感じで、爽やかな後味。特に女性が見ると楽しめる女性目線のセクシー映画。