殺し屋専用の食堂<ダイナー>を取り仕切る、天才シェフ=ボンベロ(藤原竜也)。自身もかつては殺し屋だったが、その料理の腕前は本物。彼が生み出す極上の料理には、殺し屋達も魅了される。ある日、ボンベロがひとりで切り盛りするダイナーにウェイトレスとしてやって来たオオバカナコ(玉城ティナ)。友達ひとりいない孤独な人生を送って来たカナコは、カウボーイ(斎藤工)とその恋人ディーディー(佐藤江梨子)の募集する怪しいバイトに手を出したばかりに、ギャング組織のブタ男(金子ノブアキ)に殺される寸前……のところをダイナーへ身売りされたのだ。皿の置き方ひとつでウェイトレスが消されることも日常なこのダイナーで、絶対的な王として君臨するボンベロだったが、彼女の存在で殺し屋同士の暗黙のルールが崩れていく。そして来店する最狂の殺し屋軍団。 
心優しくトラウマを抱えたスキン(窪田正孝)、見た目は子供でも残忍なキッド(本郷奏多)、ラテン筋肉系ブロ(武田真治)、昆虫をこよなく愛するマテバ(小栗旬)、血の気の多いマリア(土屋アンナ)、美しい殺しにこだわる無礼図(真矢ミキ)、 そして"殺しはビジネス“なコフィ(奥田瑛二)。 
この世で最も危険で美しい"殺し合いゲーム“が幕を明ける――。 
平山夢明の小説を蜷川実花が映画化。
母親から捨てられ、周りの人間を信じられないばかりか自分も信じられず、「いつか自分のレストランを持ち美味しい料理を母親に食べさせること」という自分の夢や料理という自分の得意なことを見失い透明人間のように生きてきたオオバカナコが、殺し屋専門のダイナーで天才シェフのボンベロの下でウェイトレスとして母親に狂気的な執着をしている殺し屋スキンや全身整形で見た目は子供だがサディストのキッドや欲望に忠実でマッチョなブロなどクセ者揃いの殺し屋を命がけで接客する中、ボンベロの「感覚を研ぎ澄ませろ」「自分の欲望を呼び覚ませ」という言葉や母親によるトラウマを持つスキンと心を通わせ、自分の意思でボンベロから料理を習って自分の夢を実現させようとするように成長していく変化を、スキンが大好きなスフレや様々な肉を使用したスペシャルハンバーガーなどクセが強い絶品料理の数々、華麗で毒々しい世界観、血飛沫の代わりに真っ赤な花が舞い散るアクロバティックな華麗で迫力あるガンアクション、藤原竜也や窪田正孝や真矢みきや土屋アンナや武田真治や本郷奏多の濃いキャラクターを演じる濃厚な演技と玉城ティナの自然体な演技の好対照な演技アンサンブルで描かれていて、蜷川実花のゴージャスな世界観で描かれているパルプ・ノワールの世界を五感を研ぎ澄ませて理屈抜きに楽しむのが吉なサスペンスアクション映画。